(4)タマホーム 3月27日念願の上場
同社の場合、やはり、他社比較において、店舗展開しているだけに、店舗やモデルハウスなどの賃借料のウ エイトは高い。また、店舗や事務所の自社所有物件も多く、本社や福岡など拠点ビル及びモデルハウス等の減価償却費も年間17億円超に及んでいる。そうした 出店攻勢をバックアップする広告宣伝費は売上高の4%弱となっている。
広告宣伝費は特に大きなウエイトではないが、同社のコンセプトでもある低価格住宅供給により粗利率(23.06%)が低く、その分粗利益額に占める割合は16.8%を占めている。
因みに一建設の粗利益率は18.44%(但し、戸建分譲で土地販売付随)、積水ハウスの単体では同20.23%(分譲マンションなど含む)、ミサワホームの連結の注文住宅は同28.97%、東日本ハウス連結では同37.6%、パナホームの連結では23.27%、比較は異なるが、大和ハウスの戸建事業の営業利益率は3.27%(タマホームは同2.40%)、住友林業の住宅事業の経常利益率は6.60%(タマホーム同2.41%)などとなっている。
タマホームの今期は、下記に記載の通り、(前期中間期の資料がないが)粗利率がかなり改善されていると思われ、大きな増益が期待される。また来期(2014年5月期)は2013年9月~2014年3月まで消費税増税期間に入り、特需効果が期待される。ただ、2015年5月期は2014年4月からの消費税増税による反動が心配されるが、アベノミクスによる景気が少しでも実質的に改善されていればクリアーされる可能性もある。
タマホーム 平成24年3月期の連結決算書
|
||||
損益計算書 /百万円
|
||||
|
H23/5期
|
H24/5期
|
増減率
|
H24/5期構成
|
売上高
|
148,971
|
169,651
|
13.88%
|
100.0%
|
原価
|
116,741
|
130,524
|
11.81%
|
76.9%
|
(原価率)
|
78.36%
|
76.94%
|
|
|
粗利益
|
32,230
|
39,127
|
21.40%
|
23.1%
|
販管費
|
31,215
|
35,051
|
12.29%
|
20.7%
|
役員報酬
|
627
|
661
|
5.42%
|
0.4%
|
従業員給与+賞与費用
|
11,803
|
13,351
|
13.12%
|
7.9%
|
退職給付
|
161
|
186
|
15.53%
|
0.1%
|
法定福利費
|
1,616
|
1,790
|
10.77%
|
1.1%
|
通信費
|
849
|
969
|
14.13%
|
0.6%
|
広告宣伝費
|
5,356
|
6,597
|
23.17%
|
3.9%
|
賃借料
|
5,099
|
5,244
|
2.84%
|
3.1%
|
減価償却費
|
1,618
|
1,773
|
9.58%
|
1.0%
|
研究開発費
|
117
|
102
|
-12.82%
|
0.1%
|
その他
|
4,086
|
6,213
|
52.06%
|
3.7%
|
営業利益
|
1,015
|
4,075
|
301.48%
|
2.4%
|
(営業利益率)
|
0.68%
|
2.40%
|
|
|
営業外収益
|
274
|
294
|
7.30%
|
0.2%
|
営業外費用
|
321
|
272
|
-15.26%
|
0.2%
|
経常利益
|
968
|
4,097
|
323.24%
|
2.4%
|
(経常利益率)
|
0.65%
|
2.41%
|
|
|
特別利益
|
2
|
156
|
|
0.1%
|
特別損失
|
662
|
1,217
|
|
0.7%
|
税引前利益
|
308
|
3,036
|
885.71%
|
1.8%
|
法人税等
|
486
|
2,252
|
|
1.3%
|
当期利益
|
-177
|
783
|
|
0.5%
|
<粗利率改善傾向>
住宅産業の場合、どうしても年度末(3月)が一番ピークとなるが、中間期でも純利益計上とともに、粗利率が前期通期の23.06%から26.65%と3.59ポイントと上昇させている。単純計算では、売上高1600億円と仮定した場合、1ポイントは16億円相当であり、57億円の粗利益の増収が見込まれる。その上、売上高が前期より増加すれば、その分の粗利益も加算される。
販管費は前期12.4%も伸びており、今期はそれほどの増加率はないと想定できよう(玉木さんのことだからわからないが、バンバンCM打っている様子もない・・・)。
今期予想は発表されていないが、前期までにかなり減損処理も進めており、前期のような特損はないものと思われる。
以上の結果、今期は前期に比し、粗利、営業利益、経常利益及び当期利益は大幅に更新してくるものと思われる。そうでなければ、玉木さんと社員さんが利益を出したくないのであろう。
平成25年5月期第2四半期の状況
|
|
売上高
|
70,537
|
売上原価
|
51,736
|
粗利益
|
18,800
|
粗利率
|
26.65%
|
販管費
|
17,644
|
営業利益
|
1,156
|
営業利益率
|
1.64%
|
営業外利益
|
142
|
営業外費用
|
123
|
経常利益
|
1,175
|
特益
|
0
|
特損
|
97
|
税金関係
|
628
|
当期利益
|
448
|
[ 2013年3月18日 ]
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
コメント