アイコン サムスン電子と韓国雇用問題

韓国経済の貿易黒字はサムスン電子と現代自動車で持っているが、サムスンの急成長は韓国経済の内需喚起にそれほど役立っていない。
サ ムスン電子の2006年の売上高をベースにすれば、2011年の売上高は93.14%増加している。しかし、韓国内の従業員数はこの間18.84%しか伸 びていない。全従業員数は60.55%増加しており、売上増に伴う雇用の恩恵は主に中国にもたらせている。この間の海外従業員数の増加は実に倍以上の 128.97%増加している。

現在も中国やベトナムで大規模工場を建設しており、ますます業績の恩恵は中越にもたらされることになる。
韓国では不況と失業、特に若年者の雇用問題を抱え、不満が爆発しそうな雲行きであるが、サムスン帝國は韓国の雲上人の様相である。ウォン危機のときに韓国民は宝飾品などを国家のため差し出したが、サムスン一族は相続争いするくらいの人たちが経営しており、国民の不況・不幸についてはまったく見もしないのだろう。
携帯電話やタブレッド・デバイスなどは、日本の自動車メーカーのように貿易摩擦で米国など海外へ工場を造らなければならなかった経緯とはまったく異なる。ただ単にコストだけを追求しての海外工場進出である。
また、円高に追われた日本企業が海外工場進出したのも同じことといえるが、企業の生死がかかっていた点ではサムスンとまったく異なる。

サムスン電子の売上高と雇用の関係
 
2006
2011
伸び率
売上高(億ウォン)
854,260
1,650,000
93.14%
従業員数(人)
138,100
221,726
60.55%
うち韓国内
85,800
101,973
18.84%
うち海外
52,300
119,753
128.97%
・海外といってもほとんどが中国
 
サムスン電子連結業績推移
/億ウォン
売上高
粗利益
粗利率
営業利益
純利益
1998
257,723
74,515
28.9%
28,662
-3,623
1999
320,877
106,113
33.1%
53,890
31,753
2000
435,278
158,892
36.5%
90,603
60,029
2001
464,438
136,716
29.4%
38,365
30,551
2002
595,687
225,200
37.8%
91,493
70,528
2003
648,175
225,631
34.8%
62,977
59,622
2004
819,630
290,100
35.4%
117,610
107,900
2005
806,300
253,780
31.5%
75,750
76,400
2006
854,260
257,730
30.2%
90,080
79,260
2007
985,078
276,269
28.0%
89,733
79,230
2008
1,212,943
315,320
26.0%
60,319
58,902
2009
1,363,237
417,288
30.6%
109,253
97,606
2010
1,546,303
519,635
33.6%
172,965
161,465
2011
1,650,000
 
 
 
137,000
2012
2,011,000
 
 
290,000
 
・韓国の税率は25%、ただサムスン電子は海外子会社も多く、2002年以降、税引前利益の20%も税金は支払っていない。
・現在の為替レートでは1ウォンは0.0878円(2013年6月10日現在)
 
0611_01.jpg
(当図は朝鮮日報に掲載されていた分)
 
[ 2013年6月11日 ]
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