アイコン エジプト 軍事クーデター 憲法停止、暫定政府樹立 混沌化するアラブの春

エジプトのシシ国防相は3日夜(日本時間4日未明)、憲法を停止した上で、最高憲法裁判所長官を暫定政府のトップに任命したと発表した。
エジプトでは、反政府デモが頻発、数百万人に達したため、軍部がモルシ大統領に対して、4日午前0時までに話し合いにより解決しなければ、憲法を停止すると発表していた。

これに対し、モルシ大統領は話し合いの席を一切設けず、軍部が発表どおり動き、モルシ大統領は失職した。
 民衆蜂起「アラブの春」によるムバラク独裁政権の崩壊後初の大統領選で、選出されたイスラム主義者のモルシ大統領は就任から1年、事実上の軍事クーデターで地位を追われることになった。
 シシ国防相はまた、大統領選実施を主任務とする「実務者内閣」を樹立、モルシ政権下で成立した憲法の改正を検討する委員会を発足させる方針を示した。
 デモを指揮していた世俗・リベラル派統一勢力「救国戦線」一部イスラム教、キリスト教の宗教指導者などは今回の軍部による政権掌握に賛同している。
 
しかし、今回の軍事クーデターに批判的なイスラム教の大統領支持派が今後どういう動きをしてくるのか予断を許さない。

 アメリカは、静観の構えを見せているが、ムバラク独裁政権以前から、軍部に対しては強い影響力を保持しているものの、オバマは黙視している。
モルシ大統領が政権を取った後、アメリカ訪問が決定していたが、モルシ大統領の過去のイスラエル批判が表面化して、アメリカ側から訪問を断られていたという経緯がある(アメリカとイスラエルは実質運命共同体)。
 そうしたことからも、アメリカも仲良し子良しのエジプト軍部の今回の行動については、黙認しているものと見られる。
 ただ、エジプトのイスラム勢力次第では、エジプトは再度混沌とした世情になっていくものと思われる。
アラブの春では、エジプトだけは無血クーデターによりムバラク独裁政権が倒れたが、ほかの国では大量の血が流されており、いまだ安定もせず、シリアは内戦状態、アフガンでは大統領府までタリバンに襲撃される事態に陥っている。
イスラム教支配の政権や国は、キリスト教の自由主義陣営では理解できないのが現実だ。それもシリア・イラクのようにイスラム教の宗派同士での戦いもある。
 

[ 2013年7月 4日 ]
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