米マイクロソフト/72億ドルでノキアの携帯電話事業買収
米マイクロソフトは3日、同社の基本ソフト(OS)を搭載したスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)「ルミア」を展開するノキアの携帯電話事業を72億ドルで買収すると発表した。
ノキアは、マイクロソフトから携帯電話事業買収の打診を2月受けてから、50回以上の取締役会を開き対応を検討した。
マイクロソフトは、このところ販売が伸びているノキアの「ルミア」を中心に事業拡大を目指すと述べ、買収によりフィンランドでの雇用が失われるとの懸念解消に努めた。ノキアの全世界の従業員は現在約9万人。同社はこのうち約3万2000人がマイクロソフトに移籍するとみている。このうち4700人がフィンランド国内での移籍となる見込み。
ノキアの携帯電話市場でのシェアは2007年の40%から、現在は15%に低下。スマホに限るとシェアは3%にとどまる。
ノキアは、携帯電話端末で1998年から2011年まで首位だったが、その後は韓国サムスン電子に次ぐ世界第2位のメーカーに転落している。しかも、収益率が高いスマホでは世界上位5社には入っていない。
スマホ市場では、米グーグルの携帯端末向け基本ソフト「アンドロイド」と米アップルの「iOS」搭載の端末機が全体の90%を占めている。
ノキアの「ルミア」の販売増により、マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズフォン」を搭載したスマホの世界市場シェアは3.3%に拡大、カナダのブラックベリーを上回っている。
マイクロソフトも、新たなる事業分野開発に苦慮しているようだ。
世界に通用するノキアのブランド主力の携帯電話事業が売却されれば、将来的にフィンランドの活力が大きく損なわれることになるかもしれない。

モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
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