アイコン タイ インラック政権/22日非常事態宣言 反政府デモ最大の山場に 軍注目

タイ政府は21日、反政府勢力の道路封鎖により首都バンコクの都市機能は完全にマヒしており、また、タクシン派=政府系と見られる勢力からの爆弾攻撃で、反政府勢力に多くの死傷者が発生していることから、明日(22日)より非常事態宣言を発令すると発表した。

インラック政権は、非常事態宣言により、反政府勢力が弱体化させ、2月2日の総選挙を滞りなく終わらせ、勝利し、禊を経たとして、政権の座にとどまることを最終目標としている。
 適用される地域はバンコク都内全域、ノンタブリー県全域、サムットプラーカーン県バーンプリー郡、パトゥムターニー県ラートルムケーオ郡で、適用期間は60日とされている。

 インラック政権は、反政府側の中止要請にもかかわらず、2月2日に総選挙の実施を宣言しており、2月2日までがタイの異常事態の最大の山場となった。

総選挙では、インラック首相の実兄で、タイ国から不正蓄財・脱税などで逮捕状が出ているタクシン元首相が政権担当時代、貧民層や農民層を手厚く保護していたため、今でもタクシン派が圧倒的に有利とされている。こうした国内の内情から反政府勢力は、選挙をあくまで拒否、政権交代の闘争を続けている。
(タクシン元首相は海外に50億ドル(約5,200億円/104円)の資産を持つとされる。タイ最高裁はタクシンに対して464億バーツ(約1,470億円/3.17円)の没収判決を出している)

タイの緊急医療センターは21日、昨年11月30日から現時点までの一連の騒動による死者は9人、負傷者は554人に達していると発表した。

反政府勢力が、非常事態宣言下で引き続きデモによる都市封鎖を行った場合、当然、警察=治安部隊と反政府デモ隊が対峙することになり、多くの死傷者が出、騒乱状態に突入する可能性もある。
緊迫化した場合、今でも中立を堅持しているタイ国軍が事態収拾に乗り出すことも考えられ、向こう1週間が最大の山場となっている。

今回の反政府勢力の動きは、インラック首相が、政権公約で兄タクシンたちに対して、恩赦などしないとしていたものの、昨秋突如、恩赦法を制定しようと下院議会にはかり、恩赦法議案を通過させたことにあり、結果的には上院で否決され廃案となり、インラック首相自体、恩赦法を引っ込めた。しかし、こうしたインラック首相の動きに、激怒した反政府勢力が、政権打倒を叫び、現在デモによる首都封鎖を敢行している。
インラック首相も、これまで揺れていたが、ここにきて、強行に出ていることから、タイ国へ帰れず、ドバイを拠点にしている実兄のタクシンが、実妹のインラック首相を直接動かしているものと思われる。
2月2日の総選挙は、国会下院議員500人の解散総選挙。

[ 2014年1月22日 ]
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