タイに続き雲行きあやしいインドネシア大統領選挙 7月9日投票日
大統領選はジョコウィ氏(闘争民主党=PDIP)とプラボウォ氏(グリンドラ党)の一騎打ちになっている。
前回大統領選で清廉潔白さが受け、新党の民主党が国民の信頼を得てユドヨノ政権(元陸軍大将、民主党党首)を誕生させたが、政権終盤の現在、汚職にまみれ、すっかり信用をなくし、先日の議会選挙では大敗をきしている。
今後の政治の焦点は7月に行われる大統領選となっている。
日本企業は、中国問題(尖閣反日・賃金コスト上昇)からここ2~3年、人口も多く経済成長著しいインドネシアに多くの工場が進出してきた。しかし、タイ国同様政治の不安定要素も大きく、今回の選挙は特にその動向が注目されている。
ス カルノ-メガワティ元大統領の流れをくむジョコウィ氏か、保守・独裁だったスハルト元大統領の流れになるプラボウォ氏になるか、もしプラボウォ氏になれ ば、進出企業は大きな影響を受ける可能性が高い。どちらが大統領になるにしろ、タイのようなことにならないことを祈るだけだ。
<プラボウォ氏支持のゴルカル党分裂>
国民的人気のジョコウィ氏を、プラボウォ氏の5党大連合が追いかける。6月4日から1ヶ月の選挙運動期間を経て、7月9日の投票が向こう5年間の政治を決める。
ジョコウィ陣営は、大方の見方通りカラ前副大統領を副大統領候補に据えた。南スラウェシ州マカッサルの大物実業家カラ氏は東部地域からの信望が厚く、人口の4割を占めるジャワ人のジョコウィ氏と民族の要素を補い合う。ゴルカル党員であるカラ氏が党を割るのは、ユドヨノ氏と組んだ2004年大統領選と同じ展開。東部はゴルカル党の票田で、一部はジョコウィ氏側に割れる。
ジョコウィ氏はソロ市長、ジャカルタ特別州知事時代とも副市長・副知事には直言実行型を置いている。テレビ局のインタビューに対し「カラ氏は決断が早く仕事が早い」と話し、同じタイプを選んだと強調した。
政治コンサル「SMRC」の調査(先月20~24日実施)ではジョコウィ&カラ46.1%、プラボウォ&ハッタ28.5%と優勢を保っている。
国民的人気のジョコウィ氏を、プラボウォ氏の5党大連合が追いかける。6月4日から1ヶ月の選挙運動期間を経て、7月9日の投票が向こう5年間の政治を決める。
ジョコウィ陣営は、大方の見方通りカラ前副大統領を副大統領候補に据えた。南スラウェシ州マカッサルの大物実業家カラ氏は東部地域からの信望が厚く、人口の4割を占めるジャワ人のジョコウィ氏と民族の要素を補い合う。ゴルカル党員であるカラ氏が党を割るのは、ユドヨノ氏と組んだ2004年大統領選と同じ展開。東部はゴルカル党の票田で、一部はジョコウィ氏側に割れる。
ジョコウィ氏はソロ市長、ジャカルタ特別州知事時代とも副市長・副知事には直言実行型を置いている。テレビ局のインタビューに対し「カラ氏は決断が早く仕事が早い」と話し、同じタイプを選んだと強調した。
政治コンサル「SMRC」の調査(先月20~24日実施)ではジョコウィ&カラ46.1%、プラボウォ&ハッタ28.5%と優勢を保っている。
<左右するTV局>
インドネシア国民は、主にテレビで政治に関する情報を得ている。
そうしたなか、プラボウォ陣営は民放テレビ5局を確保。3局を持つ実業家ハリー氏、2局を持つバクリー・ゴルカル党首が陣営に入っている。
これに対し、ジョコウィ陣営はニュース専門の1局のみ。
選挙戦でテレビの影響力が注目される。
また、プラボウォ氏の5党連合は、スハルト時代復古を唱えるゴルカル党から、イスラム保守の福祉正義党(PKS)まで主義主張が異なるため、陣営がどのような政策を掲げるのかにも注目が集まる。
1党だけ残された現政権党の民主党、幹部周辺の汚職疑惑が嫌われ連合交渉は難航し、支持を決定していないが、上記両陣営にとっては、連合する影響は大きい。
ゴルカル党は、議会選挙後ジョコウィ支持を打ち出したが、その後掌を返しプラボウォ氏支持に転換し、混沌としてきた。
先日の議会選挙は党派の得票率で議員数が割り当てられることから、党首は別にして、議員自体に大きな支持基盤は有しない。
参考、じゃかるた新聞など
インドネシア国民は、主にテレビで政治に関する情報を得ている。
そうしたなか、プラボウォ陣営は民放テレビ5局を確保。3局を持つ実業家ハリー氏、2局を持つバクリー・ゴルカル党首が陣営に入っている。
これに対し、ジョコウィ陣営はニュース専門の1局のみ。
選挙戦でテレビの影響力が注目される。
また、プラボウォ氏の5党連合は、スハルト時代復古を唱えるゴルカル党から、イスラム保守の福祉正義党(PKS)まで主義主張が異なるため、陣営がどのような政策を掲げるのかにも注目が集まる。
1党だけ残された現政権党の民主党、幹部周辺の汚職疑惑が嫌われ連合交渉は難航し、支持を決定していないが、上記両陣営にとっては、連合する影響は大きい。
ゴルカル党は、議会選挙後ジョコウィ支持を打ち出したが、その後掌を返しプラボウォ氏支持に転換し、混沌としてきた。
先日の議会選挙は党派の得票率で議員数が割り当てられることから、党首は別にして、議員自体に大きな支持基盤は有しない。
参考、じゃかるた新聞など
インドネシア国会議員選挙 560議席 配分決定
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政党
|
党首
|
得票率%
|
現議席
|
新議席
|
増減
|
闘争民主党
|
ジョコウィ
|
18.95
|
93
|
109
|
16
|
ゴルカル党
|
|
14.75
|
108
|
91
|
-17
|
グリンドラ党
|
プ゙ラボウォ
|
11.81
|
30
|
73
|
43
|
民主党
|
ユド゙ヨノ
|
10.19
|
150
|
61
|
-89
|
民族覚醒党
|
|
9.04
|
|
47
|
|
国民信託党
|
|
7.59
|
|
49
|
|
福祉正義党
|
|
6.79
|
|
40
|
|
国民民主党
|
|
6.72
|
|
35
|
|
開発統一党
|
|
6.53
|
|
39
|
|
ハヌラ党
|
|
5.26
|
|
16
|
|
10党
|
|
|
|
560
|
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・投票率3.5%未満の政党には議席なし。投票率75.11%、投票数:1億2,497万票
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・色分けは7月の大統領選で連合を組む党、民主党は不参加
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|||||
得票率
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39.97
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47.47
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議席数
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207
|
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292
|
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<各政党の特色>
闘争民主党(PDI-P)
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独立の父、スカルノ元大統領の娘のメガワティ女史を党首としていた。リベラル・中道左派
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国民覚醒党(PKB)
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イスラム政党の開発統一党から離脱したNU系のイスラム政党(NUは4,000万人、スンニ派の伝統主義を重んじ、農村や辺境諸島地域に支持基盤。)
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国民民主党(PNI)
|
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ハヌラ党
|
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グリンドラ党
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党首プラポウォの義父は独裁者スハルト、イスラム国家主義者として独裁を支えたパンチャシラ教育を再志向する。所得の農民への再配分。
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ゴルカル党
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スハルト独裁政権を支えた翼賛政党、軍主導の職能集団党
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国民信託党(PAN)
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ムハマディア1800万人を支持基盤とするイスラム政党
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福祉正義党(PKS)
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都市イスラム層を基盤とし「清潔な政府」樹立を掲げる党。
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開発統一党
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スハルト独裁政権下で統合されたイスラム政党
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民主党(PD)
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メガワティ政権下で政治・治安調整相で清廉な印象のユドヨノ氏(元陸軍大将)の新党。前回の大統領選では前評判で圧倒したメガワティ元大統領を負かし大統領となった。
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[ 2014年5月23日 ]
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
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