アイコン がんリスクあれこれ(15)/自転車と前立腺がん

<自転車長時間サイクリストは前立腺がんリスク?>

自転車に長時間乗るサイクリストは前立腺がんリスクが高いことが、新たな研究で示された。一方、不妊症や勃起不全(ED)のリスク増大は認められず、自転車による男性の健康リスクに関する議論が過熱しそうだ。
 研究の筆頭著者で英ロンドン大学研究員のMilo Hollingworth氏は、結果の解釈は難しいとし、「男性はサイクリングによる前立腺がんリスクの増大を心配せず、これまでどおり自転車に乗るべ き。心臓、肺、全身および精神面の健康に対するベネフィットの方がはるかに重要である」と述べている。
 今回の研究は、5,000人超の男性サイクリストを対象に2012~2013年に調査を実施したもの。被験者の8%が勃起不全があると回答したが、自転 車に多く乗る男性ほどリスクが高いということはなかった。また、勃起不全は高血圧、喫煙、加齢の3つの因子との間に関連が認められた。自転車に長時間乗る ことと不妊(男性の1%が報告)のリスク増大との間に関連は認められなかった。

 全体で1%弱の男性が前立腺がんの診断を受けたと回答した。最も長時間自転車に乗る群(週8.5時間超)は、その他の男性に比べて前立腺がんのリスクが大幅に高かったが、実際の関連はこの研究では裏付けられていない。自転車に乗る時間が最も長かった498人のうち17人(3.5%)、最も短かった511人のうち3人(0.5%)が前立腺がんであると回答した。この傾向は、特定年齢の男性の数などによる偏りが出ないよう統計結果を補正しても変わらなかった。この研究は、「Journal of Men's Health」7月11日号に掲載された。
今回の結果は、勃起不全および不妊に関する過去の研究とは相反する。英エジンバラ王立病院(スコットランド)の整形外科医Chris Oliver氏によると、これまでの研究から、週3時間以上自転車に乗ると、軽度から中等度の勃起不全リスクが増大することが示唆されており、その他の研究でも、自転車と男性不妊との関連が示されているという。米ボストン大学准教授で不妊研究を行うLauren Wise氏は、不妊症や勃起不全の既往がある人が自転車に乗り続けている率は低いと考えられることから、今回の研究参加者にはもともとそれらの既往のある人が少なかった可能性があると指摘。また、今回認められた関連は偶然によるものである可能性もあり、因果関係は示されてはいないと述べている。

http://consumer.healthday.com

[ 2014年12月15日 ]
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