韓国メディアは準備状況について、「平昌冬季五輪は２０１１年から準備を始めている。４年たった今も大した進展は見えない。現状では成功することなどあり得ない」と指摘している。・・・最近少しだけマスコミも変わっては来ているが・・・。
以上、

＜権力抗争に巻き込まれ遅延＞
それもこれも、秘線のあの人が、体育文化観光部（日本の文科省に相当）のお偉いさんたちを、八百長事件の始末が遅すぎるとして、大統領に申言し、朴大統領の一声で総入れ替えさせ、漢陽大学出身者ばかりにしてしまったといわれている。そのため、５輪組織委は権力抗争に巻き込まれ、このままじゃやっちゃおれんと五輪組織委員長が昨年７月辞任してしまった。
五輪担当省が、あちこちで噴出したスポーツ八百長事件の後始末に追われ、五輪どころではなかった。そうした中、五輪競技施設の工事進捗チェックなどありえようもなかった。
　　
八百長事件：プロのサッカー４１選手追放事件（自殺者３人以上）、プロバレーボール、プロバスケット、協会長命令のテコンドー事件などなど。

＜金が集まらず遅延＞
組織委に金が集まらないことも一因とされる。
金大中大統領時代に発生した金融危機では、国民が挙って金銀財宝を国に提供する場面が報道され、韓国人はすごいと感心したものであるが、あれから１４年、国は様変わり。
韓国には１０大財閥とも３０大財閥とも言われる財閥があり、韓国ＧＤＰの６割を占めるという。しかし、現実は、五輪組織委がスポンサーを募っても応ぜず、運転資金を出さず、組織委は借金まみれで運営され、思い通り、動けない状況が続いた。
やっと、ナッツ事件のお姉ちゃんの実父であり漢進財閥の趙亮鎬会長が、昨年７月組織委の委員長に就任し、分散開催問題などあり、やっと機能し出した段階となっている。
２０１４年の韓国ＧＤＰと１０大財閥の売上高の関係は、ＧＤＰの７６％の売上高を誇っている。

＜国と開催郡の分担金問題により遅延＞
開催地は江原道平昌郡、開催主導権は江原道と平昌郡が有している。しかし、五輪招致のために開発したとされる江原道開発公社が総１兆6,836億ウォン（現在換算約1800億円）を投資した平昌アルペンシアリゾート、集客不足で、江原道の財政悪化・破綻状態といわれている。
そのため、新設する各競技場の財政負担割合を道と国が争い続き、組織も予算が付かず、新施設の建築設計図面さえ作成されない事態に陥っていた。
昨秋のＩＯＣによる分散開催提案がカンフル剤となり、やっと財政負担を国と道のほか組織委も引き受けることで落着させ、競技施設着工が各所で始まった次第だ。

＜コースの問題による遅延＞
五輪組織委は、６競技施設を新たに設けるとしながら、財政問題や環境団体からの問題提起、開催後の施設利用問題などあり、なかなか進まなかった。

山岳地区・平昌（ピョンチャン）
平昌アルペンシアリゾート（スキージャンプ、バイアスロン、クロスカントリースキー、ノルディック複合、リュージュ、ボブスレー、スケルトン）
龍平（ヨンピョン）リゾート（アルペンスキー・技術系）
普光（ボクワン）フェニックスパーク（フリースタイルスキー、スノーボード）
横渓（フェンゲ）オリンピックパーク（開閉会式）

山岳地区・旌善（チョンソン）
中峯（ジュンボン）山地（アルペンスキー・スピード系）

海岸地区・江陵（カンヌン）
江陵（カンヌン）インドア・アイスリンク（カーリング）
鏡浦（キョンポ）アイスホール（ショートトラックスピードスケート、フィギュアスケート）
ユニオン・ホッケーセンター（アイスホッケー）
サイエンス・オーバル（スピードスケート）
嶺東大学校体育館（アイスホッケー）

実際工事に入っていることから、昨年１０月以前よりましだろう。今後工事が進む連れ、ＩＯＣから専門的な要請がワンサカ持ち込まれ、その対応に追われることになる。韓国のスキー文化の歴史は非常に浅く、対応できるか大変だぁ。

会場となる竜平スキーリゾート（左）とメイン会場の平昌アルペンシアリゾート