アイコン 当局より野放しだった感染濃厚者  サムスンソウル病院での院内感染拡大

サムスンソウル病院が中東呼吸器症候群(MERS)の2次流行の震源地になった背景には14人目の患者A氏(35)がいる。
 A氏は、5月10日に平沢聖母病院に入院、同じ病棟に中東帰国者が体調を悪化させ5月15日(17日まで)に入院した。

保健福祉局は5月20日、中東帰国者のMERS感染を確認した。しかし、当局の方針で、中東帰国者から2メートル以上離れた病室の患者は隔離対象者にはならなかった。

A氏は25日、平沢グッドモーニング病院に転入院した。グッドモーニング病院の担当医師はA氏の具合が悪かったため「大きな病院に行ったほうがよい」との所見書を書き、A氏27日1人で、バスでサムスンソウル病院へ行き、検体の検査結果が陽性と出た30日まで入院、14人目の感染者となった。

27日の移動のバスでは、ソウル南部のバスターミナルに到着、A氏は具合が悪化して救急車を呼び、サムスンソウル病院まで運んでもらい救急応急室に入った。

サムスンソウル病院では、救急担当医師への感染のほか、閉鎖回路テレビ(CCTV)の分析結果、大量に3次感染者が発生した。当病院だけで8日午前8時段階で計34人の感染者を出している。
サムスンソウル病院のソン・ジェフン院長は7日「患者675人と医療スタッフ218人など893人(密接接触115人)が、感染の危険性にさらされていたことが把握されたため、直ちに通知・隔離した」と話している。
当局の追跡調査で、バスや救急車の判明者6人を隔離対象者としているという。

A氏は元々具合が悪くて平沢聖母病院に入院しており、実際は感染していても、当局の隔離方針で離れた病室にいたA氏は隔離対象者にはならなかった。追跡調査は受けていたと見られるが、どこの病院で検体検査を受けたのか不明であるが、27日~29日の間、サムスン病院にいて、院内感染が拡がった。
感染したA氏は若く、具合も悪化しており、ウイルスの感染力が強いものだったと見られる。

最初に感染が確認された平沢聖母病院入院患者(中東帰国者)において、当病院の入院患者や病院関係者、見舞い客などに対する当局の安易な隔離方針が、6月8日午前8時段階で、死者5名、感染者83名、2千数百名の隔離対象者を出しているといえる。また、感染者を出した病院名や感染が確認されるまでにかかわった病院名の公表を拒んだことが、受け入れる病院側の防疫システムを無意味なものにした。(公表せずとも、病院側には、健康保険システムで要注意病院経歴を伝達する手段があるというがそれもなされていない)

こうした感染拡大問題は、必ず原因があり、それもいくつもいくつも折り重なり合い拡大していく。ここまで拡大すれば、想定外の多くの問題がまだ潜んでいるようでならない。

ただ、WHOのMERSコロナウイルスの感染力についての記載文は、2012年に初めて発見確認され、致死率が高く、治療方法も確立していないにもかかわらず、その内容は三次感染など想定されない安易なものとなっているようでならないのは私(JCNET記者)だけだろうか。人口密度の低い中東での感染と都市型感染の違いかもしれないが・・・。
また、一部の隔離対象者が自由に闊歩する国民性にも問題が潜む。
韓国でのこうした感染拡大に日本も厳重な注意が必要だ。安易に構えていたら、同じ感染拡大の失敗を犯す可能性がある。

[ 2015年6月 8日 ]
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