アイコン がん予防薬開発へ道 北大藤田恭之教授ら レベッカマイシン誘導体VC1-8

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北大遺伝子病制御研究所の藤田恭之教授(分子腫瘍)らの研究チームは26日、初期段階のがんの治療や予防に役立つ低分子化合物を見つけることに成功したと発表した。

この低分子化合物を、初期のがん細胞の周辺にある正常な細胞に加えることで、がん細胞を排除する能力が高まるという。
研究チームは「初期のがん細胞を見つける診断が確立されれば、がん予防薬の開発につながる」と話している。
 当論文は20日付の英国の科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に公表した。

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(背景)
日本人の3 人に1 人が,がんで亡くなります。がんの治療効果を向上させるには,がんをより早期に見つけ,予防的に治療することが望まれる。しかしながら現在のところ,科学的に効果が実証された,がんを予防するための薬は存在していない。

ヒトに悪性のがんが生じる際には, 複数のがん原性変異が細胞に蓄積することが知られている。
多くの場合,私たちの身体には,少数の変異を持った「がん前段階」の細胞が存在しているが,そ
れらを予防的に排除する治療法はまだ見つかっていない。
私たちの研究グループは,がんの超初期段階においては,正常細胞は隣接する変異細胞を認識し,それらを積極的に排除する能力があることを最近の研究で明らかにしてきた。

(研究手法)
研究者グループが、これまでの研究で独自に樹立した哺乳類培養細胞系を用いて,正常上皮細胞が持つ「抗腫瘍能」を亢進させる低分子化合物を同定するスクリーニング系の確立に取り組んだ。スクリーニングによって同定された低分子化合物の効果は,哺乳類培養細胞系とマウスの器官培養系にて確認した。
(当低分子化合物を実際にマウスや哺乳類の培養細胞に加えてみると、正常細胞の攻撃力が増すことを確認できた)

(研究成果)
正常細胞層からの変異細胞の排除を促進する効果を持つ低分子化合物のスクリーニング系の確立に成功した。また,この系を用いてスクリーニングを行い,レベッカマイシン(抗腫瘍抗生物質の一種)の誘導体であるVC1-8 を同定し,VC1-8 が変異細胞の排除を促進する効果を有していることを確認した。

(今後への期待)
現在のところ,科学的に効果が実証されたがん予防薬は存在していない。今回発表した研究をさ
らに発展させることによって,近い将来に、がん予防薬の発見につながり,薬でがんを予防していくことが期待できると考えている。


 

[ 2015年10月29日 ]
 

 

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