糖尿病薬や減量薬として一般的に使われる「オゼンピック」「マンジャロ」「ウゴービ」などの医薬品について脱毛や自殺願望などの副作用が報告されたことを受け、米食品医薬品局(FDA)が検証を行っている。
「GLP―1受容体作動薬」と呼ばれるこうした医薬品は、食べた物の胃の通過を遅くする作用をもつホルモンのGLP―1に似た効果があり、糖尿病の治療薬や減量薬として承認されている。
しかし、そうした医薬品を使用した人の間で脱毛や誤嚥、自殺願望などの症状が報告されたことを受け、FDAが規制措置の必要性について検討に乗り出した。
FDA有害事象報告システムのウェブサイトでは、「FDAが潜在的安全問題を特定したという意味であり、この医薬品と記載されたリスクとの因果関係を特定したという意味ではない」と説明している。
そのうえで、こうした医薬品を使っていて副作用に関する質問や不安がある場合、かかりつけの医師に相談するよう促した。
「GLP―1作動薬」については、胃の麻痺、膵炎、腸閉塞といった重い消化器疾患との関連を指摘した研究もある。
ただし、そうした症状はまれにしか起こらないとされ、副作用については処方情報やラベルなどに記載されている。
自殺願望リスクについては、欧州当局も数ヶ月前から調査を行っている。
しかし、この医薬品が原因なのか、別の疾患と関係があるのかは分かっていない。
「GLP―1作動薬」を製造しているノボノルディスクは1月3日に発表した声明で、副作用の報告については認識しており、米FDAと緊密に連携して安全性をモニターすると表明した。
以上、