一方、海上保安庁の救助機「みずなぎ１号」機は、後方からのＪＡＬ機による追突により炎上、搭乗の６人のうち、機長が重症ながら脱出、ほか５人は残念ながら機内で焼死が確認された。

＜海保機は通常Ｂ滑走路を使用＞
通常、海保機は格納庫に近いＢ滑走路を使用、今回はＣ滑走路を使用
海上保安庁第三管区海上保安本部「羽田航空基地」は、
東京モノレール浜松町駅から羽田空港へ向かう途中、羽田空港敷地内に入った「整備場駅」から「第２ターミナル駅」に向かう途中、海上保安庁の航空機がある格納庫が見える。
「整備場駅」近くには「国交省航空局」・「海上保安庁羽田航空基地」、「海上保安庁第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地」も所在する。

↓海上保安庁の羽田基地や格納庫はＢ滑走路の左側（西側／Ｍ整備場駅近く）に所在し、格納庫からＣ滑走路まではかなりの距離があり、今回は移動している。
海保機はＣ滑走路の１番目の離陸機として、Ｃ滑走路に入る手前のＣ５の誘導路で待機のはすが、Ｃ滑走路に入っていた。羽田に４本ある滑走路の幅員はいずれも６０メートルであり、通常Ｂ滑走路を使用していたとしても、機体の照明も付けており、間違うことはほとんど考えられない。

海上保安機は通常「Ｂ滑走路」を利用しており、報道のとおり、管制が海保機に滑走路手前で待機するよう指示していたと仮定した場合、海保機は通常のＢ滑走路とは異なり、判断ミスをした可能性もある。それも１７時５７分２５秒前後、日没は１６時４８分、日没から１時間以上経過し、すでに視界が悪化する夜の時間帯でもあった。

＜滑走路の幅員は４本とも６０メートル＞
　羽田最長のＣ滑走路（３３６０メートル）、１番目の離陸機として緊張し、１番目だけが一人歩きし、機体を滑走路に進入させた可能性もある。
海保機の聞き間違いならば、離陸準備に機長と副機長が別々に対応していた可能性もある。管制官とのやり取りを２人でしていれば、相互に牽制できたはずだ。

　また、管制側もＪＡＬ機に対しては「出発機がある」と伝えているが、海保機に対しては「着陸機がある」とは伝えていない。伝えていれば・・・。

＜管制官と海保機機長は異なる証言＞
ただ、海上保安庁は、機長（重症入院）の話として、「離陸許可が下りていた」と証言している。
例え、離陸待機だったとしても、
管制官が、
滑走路上での離陸待機か（ほかの滑走路離陸機との調整あり）
滑走路の手前での待機なのか、
はっきり明確に伝えなければ、勘違いする可能性は十分ある。
ただし、会話は英語でなされており、今回、管制音声データを日本語に訳した人の・・・、英語では明確に区別されている可能性もある。

海上保安庁は、海保機操縦の宮本機長（３９）の総飛行時間は３６４１時間。機長歴は４年１１ヶ月、機長としての飛行時間は１１４９時間。
海保機は２００９年３月就航、総飛行時間は７９１１時間１７分。

管制官との交信記録は音声データとして記録されており、すでに海保機からもフライトレコーダとボイスレコーダが回収され、原因究明は急速に進むものとみられる。
海保機の５人が亡くなっており、過失致死容疑で警察も動くことになる。

人に依存していてはこうした事故や問題が発生し続ける。今の技術を動員すれば、比較的安価にこうした事故を防ぐシステムを構築できる。
センサー技術・レーダー技術・ＧＰＳ技術などは、５年前とは比較にならないほど進化し続けている。中国含む先進国では完全自動運転車の実証実験も始まっており、日本は宇宙には和製高性能ＧＰＳを飛ばしながら、いまやその応用する技術すら構築できない状況のようだ。
国交省はＫＵＢＯＴＡやＫＯＭＡＴＳＵ・ＮＥＣにシステム構築を依頼したらどうだろうか。
日本を代表する大手企業経営者たちも政治家たちも不正の宝庫、日本では性善説はすでに完全崩壊。それもチェック機能がありながら、彼ら自身が機能を形骸化させ、無視し、そうした権力者たちが個人利益の誘導型経営や政治を司っている。権力欲に溺れ、志のないお坊ちゃまたちの政治が続く。なさけないこっちゃ。

↓Ｃ滑走路は冬場は着陸も離陸も３４Ｒ。
着陸では北風に向かい短距離で着陸できる、
離陸では北風に向かい短距離で高度を上げられる。

 
A滑走路：3,000m×60m、
B滑走路：2,500m×60m、
C滑走路：3,360m×60m、
D滑走路：2,500m×60m
それぞれ、夏と冬や騒音問題などで離陸や着陸の進入方向が異なる。
今回、事故が発生したＣ滑走路は冬場の北風を利用するため、着陸も離陸も３４Ｒ（＝北方向）になっていた。

国交省は、「滑走路停止位置」はあくまで「誘導路」としており、国際空港業界の世界共通の英単語であるようだ。

国交省は管制局は管制塔の会話記録を発表したが、交信音声データではなく、音声データを日本語に記録起こした書面に過ぎない。
航空局は国交省の内局であるが、海上保安庁は国交省の外局になる。ともに国家公務員。
管制官も国交省航空局所属の国家公務員。

＜交信記録＞　

羽田管制塔：1月2日17時43分02秒～17時47分27秒

管制官の英語の通信会話データを、日本語で訳した記録文書

●17:43:02　 JAL516（衝突した日航機）: 東京タワー（管制塔）、JAL516 スポット18番です。 東京タワー（管制塔）: JAL516、東京タワー こんばんは。滑走路34R（Ｃ滑走路を南から進入施与の意味）に進入を継続してください。風320度7ノット。出発機があります。

●17:43:12　 JAL516（衝突した日航機）: JAL516 滑走路34Rに進入を継続します。

●17:43:26　 DAL276（出発機2番目／デルタ航空機）: 東京タワー（管制塔）、DAL276 誘導路上Cにいます。停止位置に向かっています。 東京タワー: DAL276、東京タワー　こんばんは。滑走路停止位置C1へ走行してください。 DAL276（出発機2番目／ＤＡＬはデルタ航空　　機）: 滑走路停止位置 C1 DAL276。

●17:44:56　 東京タワー（管制塔）：JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。風310度8ノット。

●17:45:01　 JAL516：滑走路 34R 着陸支障なし JAL516。

●17:45:11　 JA722A（衝突した海保機）: タワー、JA722A C誘導路上です。

東京タワー（管制塔）： JA722A、東京タワー、こんばんは。1番目（離陸順位を指す）。C５上の滑走路停止位置（Ｃ滑走路に至る誘導路を指す）まで地上走行してください。

●17:45:19　 JA722A（衝突した海保機）： 滑走路停止位置 C５に向かいます。1番目。ありがとう。

●17:45:40　 JAL179（出発機3番目）ころ: 東京タワー、JAL179 滑走路停止位置 C1へ走行しています。 東京タワー（管制塔）: JAL179、東京タワー、3番目。滑走路停止位置 C1へ走行してください。 JAL179（出発機3番目）: 滑走路停止位置 C1 へ走行、離陸準備完了。

●17:45:56　 JAL166（到着機2番目）: 東京タワー、JAL166 スポット21番です。 東京タワー（管制塔）: JAL166、東京タワー こんばんは。2番目、滑走路 34R進入を継続してください。風320度8ノット。出発機あり。160ノットに減速してください。

●17:46:06　 JAL166（到着機2番目）: 減速160ノット、滑走路34R　進入を継続。こんばんは。

●17:47:23　 東京タワー（管制塔）: JAL166、最低進入速度に減速してください。 JAL166（到着機2番目）: JAL166。

●17：47：27、（3秒無言）