アイコン 2024年、日本の住宅着工25年間推移 分譲マンション大幅減少中


分譲マンションの着工戸数はリーマンショック前の2006年には23万8千戸だったが、2022年は10万8千戸と▲54.7%減、半分以下に減少している。同年比の総着工戸数は▲33.4%減であり、分譲マンションの着工戸数の減少が大きくなっている。2013年の消費税増税の駆込み需要の2013年12.7万戸、2014年からは実質給与を上げないアベノミクス消費不況により以降12万戸を超えた年はなくなっている。

国民の戸建指向は逆に高まっている。
注文住宅は①の35.4%から⑤の31.3%まで減っているが、一建設等ミニローコスト分譲住宅が全国展開して増加、①の10%から⑤の16%まで構成比を伸ばしている。結果、戸建て住宅は①の45.5%から⑤の47.6%まで増加している。
ただ、注文住宅は1999年47.4万戸から2022年の25.3万戸までここ23年間で激減している。
最近の倒産事例を見ても木造建築工事業者の倒産が相次いでおり、競争激化で受注減下、ウッドトョックによる採算性の悪化に耐えられず、倒産している企業で全国で多くなっている。
恩恵を受けているのはローコストミニ分譲住宅メーカーばかりのようだ。
大手住宅メーカーも大手分譲マンション会社や自動車メーカーのように、販売ターゲットを高額所得者に販売して、売上高と利益を稼ぐ動きとなっている。

 

スポンサーリンク

賃貸住宅は超低金利下の2014年の相続税改定で賃貸物件の相続は減税対策にもなり増加したが、今度は建ち過ぎて近い将来賃貸住宅投資にかかわる不良債権問題が発生するとして、金融機関の融資を制限させたことから、再び伸び率は低迷している。最近のピークは2017年の41.9万戸、2022年は34.5万戸まで減少している。
2024年に金利が上昇すれば、超大都市を除き賃貸物件投資は大きく減少する可能性が高い。当然、金融機関も選別融資を強化するものと見られる。
総じて賃貸住宅と社宅を合算すれば、ここ25年、総着工戸数に対する賃貸物は40%前後と大きな変化はない。

少子化は進んでおり、一方で非正規の低賃金労働も進み、住宅産業全体は衰退産業となる。今後、ますます貧富の差は拡大することから、賃貸物件と高額物件に分かれ、高額物件が今後の住宅産業を牽引するものと見られる。すでに分譲マンション業界では10億円以上の物件が賑わいを見せている。

↓25年推移 
注文住=注文住宅、戸建分=戸建分譲住宅、
賃貸宅=賃貸住宅+社宅+官舎、分譲M=分譲マンション


スクロール→

日本の住宅着工 用途種別構成

5年計

年平均

注文住

戸建分

賃貸宅

分譲M

9802

5,967,615

1,193,523

35.4%

10.1%

37.7%

16.8%

0307

5,936,439

1,187,288

29.8%

11.4%

41.3%

17.5%

0812

4,411,969

882,394

34.6%

12.7%

39.3%

13.4%

1317

4,713,463

942,693

31.8%   

14.1%

41.7%

12.4%

1822

4,378,846

875,769

31.3%

16.3%

39.8%

12.5%

 

日本

総着工数

賃貸住宅

分譲マンション

国交省

総戸数

前年比

賃住

前年比

分譲M

前年比

1998

1,198,295

-13.6%

457,003

 

175,182

 

1999

1,214,601

1.4%

424,250

-7.2%

184,668

5.4%

2000

1,229,843

1.3%

421,332

-0.7%

217,703

17.9%

2001

1,173,858

-4.6%

438,312

4.0%

215,301

-1.1%

2002

1,151,018

-1.9%

450,092

2.7%

208,114

-3.3%

2003

1,160,083

0.8%

451,629

0.3%

200,221

-3.8%

2004

1,189,049

2.5%

464,976

3.0%

204,081

1.9%

2005

1,236,175

4.0%

504,294

8.5%

229,352

12.4%

2006

1,290,391

4.4%

543,463

7.8%

238,614

4.0%

2007

1,060,741

-17.8%

441,733

-18.7%

168,918

-29.2%

2008

1,093,519

3.1%

464,851

5.2%

182,555

8.1%

2009

788,410

-27.9%

321,470

-30.8%

76,678

-58.0%

2010

813,126

3.1%

298,014

-7.3%

90,597

18.2%

2011

834,117

2.6%

285,832

-4.1%

116,755

28.9%

2012

882,797

5.8%

318,521

11.4%

123,203

5.5%

2013

980,025

11.0%

356,263

11.8%

127,599

3.6%

2014

892,261

-9.0%

362,191

1.7%

110,475

-13.4%

2015

909,299

1.9%

378,718

4.6%

115,652

4.7%

2016

967,237

6.4%

418,543

10.5%

114,570

-0.9%

2017

964,641

-0.3%

419,397

0.2%

114,830

0.2%

2018

942,370

-2.3%

396,404

-5.5%

110,510

-3.8%

2019

905,123

-4.0%

342,289

-13.7%

117,803

6.6%

2020

815,340

-9.9%

306,753

-10.4%

107,884

-8.4%

2021

856,484

5.0%

321,376

4.8%

101,292

-6.1%

2022

859,529

0.4%

345,080

7.4%

108,198

6.8%

2298

-28.3%

 

-24.5%

 

-38.2%

 

 

参考

住友林業 連結/百万円

 

売上高

営業利益

営率

経常利益

帰利益

15/3

997,256

33,994

3.4%

36,424

18,572

16/3

1,040,524

30,093

2.9%

30,507

9,727

17/3

1,113,364

53,989

4.8%

57,841

34,532

18/3

1,221,998

53,021

4.3%

57,865

30,135

19/3

1,308,893

49,247

3.8%

51,436

29,160

20/3

1,104,094

51,377

4.7%

58,824

27,853

20/12期(変)

839,881

47,462

5.7%

51,293

30,398

21/12

1,385,930

113,651

8.2%

137,751

87,175

22/12

1,669,707

158,253

9.5%

194,994

108,672

 前期比

20.5%

39.2%

 

41.6%

24.7%

23/12

1,726,000

130,500

7.6%

150,000

92,000

23/22

3.4%

-17.5%

 

-23.1%

-15.3%

22/3

1,206,293

111,109

9.2%

141,870

82,718

23/3

1,232,884

97,615

7.9%

99,579

63,797

233/223

2.2%

-12.1%

 

-29.8%

-22.9%

↓前期 

2022年期 住林  連結/百万円

 

売上高

前年比

経利益

前年比

経利率

木材・建材

273,733

26.2%

14,878

49.0%

5.4%

住宅・建築

533,506

4.4%

15,899

-19.1%

3.0%

海外事業

848,724

31.7%

161,317

54.6%

19.0%

資源環境

21,871

-1.9%

1,392

-64.6%

6.4%

その他

24,553

2.5%

1,938

-35.7%

7.9%

調整

-32,680

 

-430

 

 

合計

1,669,707

20.5%

194,994

41.6%

11.7%

 ↓今期

23/12期 第3四半期(19月) 住林 連結/百万円

 

売上高

前年比

営利益

前年比

営利率

木材・建材

175,676

-14.7%

7,955

-25.2%

4.5%

住宅・建築

386,738

6.2%

22,047

198.3%

5.7%

海外事業

658,738

5.1%

70,240

-44.5%

10.7%

資源環境

18,010

11.8%

747

-42.1%

4.1%

その他

19,405

2.3%

1,458

-25.7%

7.5%

調整

-25,683

 

-4,832

 

 

合計

1,232,884

2.2%

97,615

-12.1%

7.9%

賃金を上げない中での岸田物価倍増政策は日本経済を破壊しつつある。

次は再びデフレか。

しっかり国会議員の役職手当だけはどこ職場よりも早く値上げしている。

米シカゴ先物取引市場

木材 Lumber (USD/1000 board feet)

月末基準

対ドル円

ドル価

日本価

18/12.

112

331

37,072

19/12.(新コロナ前)

109

404

44,036

20/6.

107

435

46,545

20/12.

103

873

89,919

21/5/7.

109

1,686

183,774

21/6.

110

800

88,000

21/12.

113

1,157

130,741

22/3/4.

118

1,441

170,038

22/6.

134

617

82,678

22/10/20.

150

533

79,950

22/12.

134

373

49,982

23/3.

132

371

48,972

23/5.

139

478

66,442

23/6..

144

531

76,464

23/7.

142

514

72,988

23/8.

145

509

73,805

23/9.

149

501

74,649

23/10.

150

546

81,900

23/11.

148

542

80,216

23/12.

141

542

76,422

23/12末と新コロナ前の比

29.4%

34.2%

73.5%

 

円安率

ドル相場

円換算

 

[ 2024年1月 4日 ]

スポンサーリンク
  

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧