BYDの勢いはとどまらなくなっている。昨年は22年比61.9%増の302万4千台、今年は昨年の38%増の420万台を計画している。すでにEVではテスラを引き離し独走態勢を築いている。
BYDは1万ドルのEV普及車「シーガル」も擁しているが、それを可能にしているが、ソフトからハードまでの自社開発だろうか。
BYDは電池の大手メーカーでもあり、中国が優位性を誇っている(走行距離を大幅に伸ばした)リン酸鉄リチウムイオン二次電池(LFP)の生産会社、当然自社のEVに搭載している。ソフトや電池も含め自社EVの75%が自社製品でありコストを最大限落としている。
米国勢が使用している韓国勢の電池である3元系よりエネルギー密度は低いが走行距離では遜色がない中国勢のLFPはより安全かつ2~3割安く生産することができ、それだけでも中国勢は優位性を持っている。
電池はEV車両価格の25%~40%を占める。さらにEVバッテリーに占める材料比率は80%を占め、その材料のほとんどを中国が生産しており、韓国や米国で直接や迂回して調達してもそれだけ材料コストは高くなる。
リチウムの現実は米国産だろうが豪州産だろうが、その含有鉱石を溶融しレアメタルのリチウムを抽出しているのは中国でもある。中国の世界一の生産量の石炭エネルギー(火力、電力→電炉)によりレアメタルを生産している。
(リチウムは最近、世界最大の鉱脈が米国で発見され、中国でも東洋一の鉱脈が発見されている)
テスラとの競争では世界販売台数で、昨年第4四半期にすでにBYDは52.6万台、テスラが48.4万台、12月は販売目標台数をクリアするためテスラが大幅値下げし、BYDも値下げして対抗するという図式、テスラの営業利益率は昨年期、第4四半期は前年同期間比で半分まで落ちている(16%台が8%台まで下落)。テスラは値下げで販売台数の大幅増を図っているが、BYDの価格の安さにはついていけず、苦戦しているのが実情。
値下げの悪循環からテスラ車の上海工場の生産台数は、今年2月は6.0万台で最近14ヶ月で最低を記録している。
BYDは2014年にカルフォルニア州にEVバス工場を建設し、米進出を果たしている。カルフォルニア州はじめ全米の環境派の市長が関係する市営バスにEVバスを供給している。
テスラのイーロン・マスクも、米中貿易戦争による貿易障壁がなければ米国市場はBYDに占領されるだろうと述べている。
. そのテスラは2030年に2000万台の販売計画を現在も堅持している。
日本は2000年代初期まで次世代電池が大学発、企業発で盛んにその成果が公表されていた。しかし、小泉とABらが聖域なき削減を何十年も続けたままにしており、研究予算が続かず日本の未来を潰した・・人でもある。
スクロール→
2023年 自動車販売台数ランキング/万台
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24年予
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1
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トヨタ-G
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1,123.3
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2
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VW-G
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924.0
|
|
3
|
現代-G
|
730.4
|
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4
|
ルノ・日・三アライアンス
|
639.9
|
|
5
|
GM-G
|
618.8
|
|
6
|
ステランティス
|
617.5
|
|
7
|
フォード-G
|
441.3
|
|
8
|
ホンダ-G
|
406.1
|
|
9
|
BYD
|
302.4
|
420.0
|
10
|
BMW
|
255.5
|
|
11
|
ベンツ
|
249.0
|
|
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テスラ
|
180.0
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220.0
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↓販売価格1万ドル(147万円)のBYD「シーガル=SEAGULL=海鴎」
SEAGULLの価格は7万38百元~8万98百元・・・2023年価格(3/12日1元は20.56円)
バッテリー増の180万円では中国式で400キロ、実費で約272キロ走行。