テスラ 販売不振にまた値下げ 営業利益率低下 モデルY
米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O)は、29日までの期間限定で米国内で販売する一部の「モデルY」の価格を引き下げた。同社は1月にドイツを含む欧州の複数の国でモデルYの価格を引き下げたばかり。
対象はモデルY後輪駆動モデルとモデルYロングレンジで、それぞれ約1000ドル引き下げ4万2990ドル(約640万円)と4万7990ドルにした。ウェブサイトによると、モデルYパフォーマンスなどの価格は変わらない。
同社はウェブサイトに掲載した告知で、今回価格を下げた2つの車種について、3月1日以降は1000ドルかそれ以上値上げするとしている。
テスラは、EVの需要鈍化に加え、中国EV大手のBYD(比亜迪)との価格競争に直面している。BYDはEV用バッテリーメーカーでもあり、3元系のほか3元系より3割安く、安全性も高いりん酸鉄リチウムイオン電池を開発展開しており、価格面でも優位性を有している。
また1年半もすれば、米国でもGMがバッテリー世界第一の中国CATLのりん酸鉄リチウムイオン電池をライセンス生産し、搭載してくることから、価格競争に陥った場合、GMに利があることになる。
メーカー各社が急激にEVを市場投入し、デザインやユーティリティも出揃ってきており、2025年にはSONY-HONDAも販売開始される。
テスラの前門には、こうした既存大手メーカーが布陣し、後門にはBYDほか中国勢が攻勢を仕掛けている。
スクロール→
テスラの米国市場での販売台数推移 |
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2022年 |
2023年 |
2024年 |
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販売台数 |
前年比 |
販売台数 |
前年比 |
販売台数 |
前年比 |
1月 |
39,775 |
62.6 |
49,556 |
34.1 |
53,830 |
8.6 |
2月 |
42,015 |
98.3 |
60,325 |
41.1 |
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3月 |
47,953 |
108.0 |
58,859 |
22.7 |
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|
4月 |
46,105 |
86.9 |
55,865 |
15.3 |
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|
5月 |
41,185 |
73.8 |
56,785 |
37.9 |
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6月 |
42,757 |
87.0 |
59,635 |
39.4 |
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|
7月 |
42,813 |
36.9 |
58,142 |
35.8 |
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8月 |
43,691 |
50.3 |
58,432 |
36.4 |
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|
9月 |
44,576 |
39.6 |
51,451 |
15.4 |
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|
10月 |
43,198 |
38.8 |
50,666 |
17.2 |
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|
11月 |
43,453 |
17.8 |
51,100 |
17.6 |
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|
12月 |
44,923 |
-4.9 |
56,481 |
25.7 |
|
25.7 |
合計 |
522,444 |
48.2 |
667,297 |
28.5 |
53,830 |
28.5 |
・テスラの2024年販売計画は世界で23年比22%増の220万台 |