韓国EC大手「ウィメプ(Wemakeprice)」の破産が、アジアのオンライン市場に大きな衝撃を与えている。
昨年の未決済スキャンダル発覚から約490日での破産宣告。販売者10万人超、被害総額1兆8000億ウォンという規模は、韓国EC史上最大の民間被害とされる。
問題の根底にあったのは、資金難だけではない。売上金の支払いが滞ったまま膨れ上がり、内部統制や資金管理が機能していなかったことが致命的となった。企業回生手続きの中ではストーキングホース方式まで導入されたが、買い手は最後まで現れなかった。評価では継続企業価値がマイナス2234億ウォンとなり、事業継続の選択肢は消え落ちていた。
特に深刻なのは販売者への二次被害だ。未決済の売上金が戻らないだけでなく、販売者自身が銀行ローンや選前貸付の返済を抱え込むリスクが高い。弁済の見通しが立たないなか、負担は個々の事業者に跳ね返る構図だ。
この事態は日本にとっても無関係ではない。国内大手ECでは資金の分別管理など制度面が比較的整備されているとはいえ、中小のプラットフォームや急成長中の新興サービスでは、資金管理の透明性が十分とはいえない例もある。越境ECの利用が増えるなか、同様のリスクが潜在的に存在することは否定できない。
ウィメプ破産は、「プラットフォームの信用」は事業基盤の最上流に位置するという当然の事実を改めて突きつけた。EC市場が拡大を続けるほど、売上金管理の透明性、安全網の制度化、そしてガバナンスの強化が欠かせない。韓国の事例は、アジア全体のECが抱えるリスク構造を浮き彫りにしている。