健康美容食品(H・Bフーズ)の国内市場の調査結果発表/富士経済
◆H・Bフーズ市場は04年以来のプラス成長…肝機能改善、美肌効果ドリンクなど好調(10年見込)
◇肝機能改善の配合成分では、オルニチンが台頭…ドリンクの発売が相次ぎ前年比16.7%増(同)となっている。(オルニチンは成長ホルモン誘導体)
<調査結果の概要>
H・Bフーズ市場は縮小が続いていたが、2010年は肝機能改善や美肌効果を訴求したドリンク類などが好調だったことから、微増ながら2004年以来のプラス成長に転じると見込まれる。
H・Bフーズ市場は縮小が続いていたが、2010年は肝機能改善や美肌効果を訴求したドリンク類などが好調だったことから、微増ながら2004年以来のプラス成長に転じると見込まれる。
ただ、目立った新規成分や新商品が登場していない中で成長分野は限定的となっており、2011年は伸びの鈍化が予測される。
【種類別】
明らか食品は、成分の安全性の問題から販売中止となった健康油の一部商品の影響が依然大きいほか、市場規模の大きいヨーグルト(整腸効果)においてH・Bフーズ対象外の商品も含め競争が激化しており低迷している。
【種類別】
明らか食品は、成分の安全性の問題から販売中止となった健康油の一部商品の影響が依然大きいほか、市場規模の大きいヨーグルト(整腸効果)においてH・Bフーズ対象外の商品も含め競争が激化しており低迷している。
ドリンク類は、ウコンやオルニチン配合ドリンク(肝機能改善)、ビタミンCやコラーゲン配合ドリンク(美肌効果)が成長を牽引してきたものの、2011年は成長が鈍化し、ドリンク類全体では前年割れが予測される。
健康食品は、従来男性をターゲットとしていたスッポン配合商品(滋養・強壮)から女性の美容をターゲットとした商品に人気が集まるなど、通信販売系企業が好調である。
シリーズサプリメントは規模の小さい市場ではあるが、サントリーウエルネスやディーエイチシーなどが牽引し拡大が続いている。
<訴求効能別シェアと注目市場>
2010年の訴求効能別市場のシェアトップ3は、整腸効果、生活習慣病予防、滋養・強壮と見込まれる。
1、整腸効果は、中心となるヨーグルト(明らか食品)、ドリンクヨーグルトや乳酸菌飲料(ドリンク類)が、H・Bフーズ対象外の商品との競争激化などで低迷している。
健康食品は、従来男性をターゲットとしていたスッポン配合商品(滋養・強壮)から女性の美容をターゲットとした商品に人気が集まるなど、通信販売系企業が好調である。
シリーズサプリメントは規模の小さい市場ではあるが、サントリーウエルネスやディーエイチシーなどが牽引し拡大が続いている。
<訴求効能別シェアと注目市場>
2010年の訴求効能別市場のシェアトップ3は、整腸効果、生活習慣病予防、滋養・強壮と見込まれる。
1、整腸効果は、中心となるヨーグルト(明らか食品)、ドリンクヨーグルトや乳酸菌飲料(ドリンク類)が、H・Bフーズ対象外の商品との競争激化などで低迷している。
2、生活習慣病予防は、明らか食品とドリンク類が減少しているものの、黒酢・香醋配合の健康食品が伸びている。シリーズサプリメントも「DHA&EPA+セサミンE」(サントリーウエルネス)などが好調である。
3、滋養・強壮は、50%以上を占めるドリンク類が医薬部外品(ドリンク剤)と競合し苦戦する一方、健康食品では「すっぽん小町」(生活総合サービス)など女性向けスッポン配合商品が急成長している。
【注目市場】
1.美肌効果
2010年見込 | 前年比 | 2011年予測 | 年比 |
1,852億円 | 107.20% | 1,892億円 | 102.20% |
ビタミンCやコラーゲンを配合したドリンク類が50%近くを占めている。特に2010年はビタミンC配合ドリンクが猛暑の”特需”を受け、前年比12.7%の大幅増が見込まれる。
また、コラーゲン配合ドリンクは新商品の投入が相次ぎ市場が活性化し、競争激化もみられる。
健康食品では、コラーゲンやヒアルロン酸配合商品でシェア上位企業がそれぞれ躍進している。
美肌効果の配合成分としては、ビタミンCが成熟し減少傾向にあるものの、コラーゲンを始めヒアルロン酸、アスタキサンチンなど他成分に拡大の余地がある。
美肌効果市場の規模が大きくなり成長は鈍化しつつあるが、今後も堅調な推移が続くと考えられる。
2.骨・関節サポート
2.骨・関節サポート
2010年見込 | 前年比 | 2011年予測 | 年比 |
1,433億円 | 98.40% | 1,447億円 | 101.00% |
健康食品とシリーズサプリメントの各市場が拡大している。
健康食品は、販売チャネルトップの訪問販売に代わり通信販売を主体に展開している企業が躍進している。
シリーズサプリメントは、「グルコサミン&コンドロイチン」のサントリーウエルネスに加え、ディーエイチシーや小林製薬なども実績を伸ばしている。
一方、骨・関節サポート市場の50%以上を占めるドリンク類は、近年発売の相次いだカルシウム強化乳飲料を始め全般的に不振なことや、宅配販売の減少により市場が縮小している。
3.肝機能改善(上記円グラフではその他に含む、シェア3.6%)
3.肝機能改善(上記円グラフではその他に含む、シェア3.6%)
2010年見込 | 前年比 | 2011年予測 | 年比 |
637億円 | 116.70% | 669億円 | 105.00% |
「ウコンの力」(ハウス食品)が市場の拡大を牽引しており、ドリンク類が40%近くを占めている。他社からもウコン配合ドリンクが相次いで商品投入されている。
また、2009年に発売されたオルニチン配合の明らか食品「1杯でしじみ70個分のちから」(永谷園)が人気を博し、2010年は「大人のキリンレモン」(キリンビバレッジ)や「休む日のAlc. 0.00%」(キリンビール)などドリンク類でもオルニチン配合商品が相次いで発売されたことで、ウコンに加えオルニチンも有力な成分として台頭してきている。
一方、ドリンク類に次ぐ市場規模のシリーズサプリメントは、「セサミンEプラス」(サントリーウエルネス)が市場の拡大を牽引してきたが、需要開拓が一巡し今後は微増推移が予測される。
4.貧血予防・改善(上記円グラフではその他に含む、シェア1.1%)
4.貧血予防・改善(上記円グラフではその他に含む、シェア1.1%)
2010年見込 | 前年比 | 2011年予測 | 年比 |
191億円 | 110.40% | 195億円 | 102.10% |
鉄分不足に起因する鉄欠乏性貧血対策、予防を目的とするH・Bフーズを対象とした。女性の鉄分補給をメインターゲットにしており、配合成分は非ヘム鉄が大半となっている。
50%以上を占めているドリンク類は宅配販売の減少に伴って、参入企業が薬局・薬店、量販店、コンビニエンスストアといった店舗販売を強化している。
2010年発売の「プルーンFe 1日分の鉄分のむヨーグルト」(日本ミルクコミュニティ)や、同年に大幅なリニューアルを行った「鉄骨飲料」(サントリー食品)が好調で市場を牽引している。
ウエハース菓子やヨーグルトが中心だった明らか食品では、新食感の「食べる ヤクルトSHEs」(ヤクルト本社)が実績を伸ばしている。
以上
*H・Bフーズの定義
H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、及び、期待されるイメージをもつ食品。
以上
*H・Bフーズの定義
H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、及び、期待されるイメージをもつ食品。
また、法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象外。
*H・Bフーズの分類
全体を健康志向食品と機能志向食品の2分野に分けた。健康志向食品は機能よりも味覚を重視した、一般加工食品との競合が予想される商品。機能志向食品は味覚より機能を重視した、一般用医薬品との競合が予想される商品。
さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。
(1)健康志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧2011 No.1」に掲載)
●明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象とした。
*H・Bフーズの分類
全体を健康志向食品と機能志向食品の2分野に分けた。健康志向食品は機能よりも味覚を重視した、一般加工食品との競合が予想される商品。機能志向食品は味覚より機能を重視した、一般用医薬品との競合が予想される商品。
さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。
(1)健康志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧2011 No.1」に掲載)
●明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象とした。
●ドリンク類:明らか食品のうち飲料分野に属するものは、(医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために)本資料では「ドリンク類」と呼称する。
(2)機能志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧2011 No.2」に掲載)
●健康食品:(財)日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に加え、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも対象とした。
●シリーズサプリメント:健康食品のうちビタミン・ミネラル類などのアイテムを各種取り揃えた健康食品(剤型は医薬品形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称した。
*「保健機能食品」とH・Bフーズの関係
特定保健用食品は、何らかの機能性(特定保健目的)を有しているため全てH・Bフーズの対象に含め、栄養機能食品は、機能性を訴求している商品のみをH・Bフーズの対象とした。
[ 2011年3月 3日 ]
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