アイコン 電池で世界が変わる 金属-空気電池市場/矢野研

金属-空気電池はIBMのリチウム-空気電池開発プロジェクトなど特に海外での研究開発が活発な電池である。
同 プロジェクトには、日本の旭化成とセントラル硝子が2012年4月より参加するなど注目度も高い。リチウム-空気二次電池(Lithium-Air Battery=LAB、以下LAB)は有機電解液タイプが主流だが、充放電回数その他の様々な課題が残されており大きな進捗がなかった。

ところがこの1年ほどの間に充放電回数が著しく改善されるなど、開発状況が急速に動き出した感がある。金属-空気電池は、電池内に正極活物質を充填する必要がないため負極活物質を大幅に増量することができる。そのため化学電池の中で最も大きなエネルギー密度が得られる可能性が大きな魅力である。

一次電池として金属-空気電池は早くから実用化されており、負極に亜鉛を使った空気-亜鉛電池が補聴器用電源として世界中で多用されている。さらに2012~2013年には新たにリチウム-空気一次電池が商用化される見通しで、一部の特殊用途に使われる大型リチウム一次電池の代替電池として採用される動きとなる。

商用化が進む一次電池に比べ二次電池の実用化にはまだかなりの時間が必要となる。具体的にはIBMの「バッテリー500プロジェクト」が順調に進む前提で2020年代の早い時期の量産製品登場、になる。ただし、安全性・信頼性等の検証に時間がかかるため大手自動車メーカーの量産EVへの本格採用は2025年以降になることが予想される。また、自動車メーカーのLAB開発に関しては、実用化時期は最短で2025年前後と予想され、量産車への本格採用は2025年後半~2030年前後になるとみられる。


 

[ 2012年12月 7日 ]
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