アイコン アシアナ航空事故を追う 7月13日現在

アシアナ航空のB777型機が現地時間6日昼、サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗して炎上、3名死亡、負傷者約180名を出した事故。乗員乗客300人以上。

これまでの報道を追う。
AFP12:事故経過
着陸態勢:高度1600フィートで自動操縦装置解除
事故54秒前:高度1000フィート、速度149ノット
事故34秒前:高度500フィート、速度134ノット
事故16秒前:高度200フィート、速度118ノット
事故8秒前:高度125フィート、速度112ノット
事故3秒前:速度103ノット
事故1.5秒前:ゴーアラウンド(再離陸)
事故時:106ノット、適正進入速度137ノット、尾翼が護岸に接触して大破、バランスを失い、バウンドと360度横回転、滑走路左端に横滑りしながら停止した。
停止後、機長は脱出を制止、停止90秒後、機体右翼から炎が上がり機長は脱出指示、乗客は非常用シューターで脱出した。

米国家運輸安全委員会(NTSB)によると、ブラックボックスの操縦室の音声記録を分析した結果、衝突3秒前と1.5秒前の2回にわたって、着陸をやり直すことを意味する「ゴーアラウンド=復航」と叫ぶ声が録音されていたという。

中央9:NTSBによるブラックボックスの1次分析結果は、事故飛行機操縦室は、衝突7秒前に「速度を上げる」と管制塔に通知。
滑走路接近当時の速度が、適正値(時速253キロ、137ノット)より低かったという点を推察できる内容となっていた。
事故4秒前には、衝突警報装置(Stick Shaker)が作動、操縦士に衝突警告を知らせる内容が録音記録に表れた。続いて1.5秒前に再離陸を決めたが、機首を上げた瞬間、尾部が防波堤と滑走路に衝突し、事故が発生した。

中央9:NTSBハースマン委員長は「事故現場で回収した操縦席録音記録を分析した結果、操縦士が衝突1.5秒前に着陸をあきらめ、また機首を再上昇させようとした」と説明した。

聨合9:韓国国土交通部は9日、アシアナ航空機は、衝突時の速度が106ノット(時速196キロ)と、目標速度の137ノット(254キロ)を大きく下回っていたことを明らかにした。衝突3秒前の事故機の速度は103ノット(191キロ)で、エンジン出力は50%から増加中だった。

中央8:事故当時は電波を通じて着陸ルートを知らせる計器着陸装置のグライドスロープが故障していたことが明らかになった。国土交通部のチャン・マンヒ運航政策課長は、「この装置が故障していれば滑走路を変えて着陸を試みてもかまわないが、ちょうど天気が良く手動着陸を選択したとみられる」と話した。・・・事実かどうかは不明。

朝鮮13:NTSBは11日、ブラックボックスから自動操縦装置(オートパイロット)と自動速度調整装置(オートスロットル)には何ら異常はなかったと発表した。
操縦士たちは当初、NTSBの聴取に対し「オートスロットルが設定通りに作動していなかった」と話したが、NTSBはその原因が操作ミスである可能性を指摘した。

<韓国側の言い分>「機体欠陥説」
 朝鮮12:「オートスロットルの速度を137ノット(時速254キロ)に設定したが、作動しなかった」という事故機操縦士の陳述と、航空機内のオートスロットル活性化(ARM)スイッチがついていたという。
オートスロットルとは、自動推力調節装置・自動出力調節装置・自動速度調節装置などと解釈できる。簡単にいえば、自動車のオートクルーズコントロール(自動定速走行装置)機能のように一定の速度や高度など数値を入力しておけば、航空機が自動的にその数値に合わせて運航する機能をいう。
韓国側はこうした操縦士の陳述を事実として受け止めている。陳述が事実ならば、「機体欠陥説」を後押しする証拠になる可能性があるというもの。
 
中央12:NTSBハースマン委員長取材/飛行データ記録装置(FDR)によると、1600フィートで自動推力調節装置など自動航法装置が解除されている。これは正常な過程なのか・・・。
 委員長:「着陸する際、自動航法装置を解除(disengaged))するのは非常に一般的な過程だ。多くの操縦士が完ぺきな着陸のために手動着陸を好む。いくつかの報道機関が、教官機長が訓練操縦士を教えるために(to challenge)このような選択をしたと報道したが、これは正しくない」
(以上、韓国側の操縦士の陳述に基づく言い分は否定されている)

中央12:イ・ガングク操縦士は、500フィート(約150メートル)上空で速度の低下を防ごうとした瞬間、閃光を見たと話したが・・・。
 委員長:「500フィートで瞬間的に光が見え、前が見えなかったと述べたのは、その通りだ。しかし面談の過程で彼はその光が“反射”でもなく“レーザー”による光でもないと答えた。光を見た後、すぐに操縦席の内部がまた見えたと述べただけに、私たちは一時的な問題にすぎず、大きな問題になるとは考えていない」
 (UFOかミサイルでも飛んでいたのであろうか?)

中央12:自動推力調節装置に誤作動があったかどうかはいつ分かるのか・・・。
委員長:「まだブラックボックスの内容を把握しているところで、正確な時間を断定することはできない。今している作業は事故機の情報を確認するだけでなく、B777機種の他社の飛行機または他のアシアナ飛行機とも数値を比較している。この過程で意味があると考えられる情報を公開しているレベルだ」

後ろにいた副機長が「操縦席の後ろにある座席で着陸の状況を見守っていた。高度が1000フィート(約300m)以下に下がったあとに下降速度が急に速くなったため、数回にわたって‘降下率’と叫んだが、操縦席にいた機長と副機長から返事はなかった」と話しているという。
(イ訓練操縦士は、機長の監督下、初めて着陸を行っていた。機長もまた初めての指導だった。)

<着陸後>
ロイター10:NTSBによると、同機が防波堤に衝突して最後尾部分が欠落した後、乗務員3人が座席ごと機外に放り出されたと明かし、別の乗務員2人は機内で膨らんだ脱出用シューターに挟まれ一時的に身動きが取れない状態だったという。放り出された乗務員は重傷で治療を受けているため、まだ事情聴取ができていないという。

KBS:乗客の脱出避難が始まったのは、客室乗務員が機体から出火していると報告した直後で、機体が完全に停止してから約90秒経っていた。

朝鮮12:NTSBによると、旅客機が滑走路に衝突した直後に停止すると、キャビンマネジャーのイ・ユンヘさんは操縦室に行き、乗客を緊急脱出させてもいいかどうかを機長に尋ねたが、機長は「まだ脱出を始めるな」と指示したという。このため、イさんは3回にわたり機内放送で乗客に待機案内を出した。(イ・ユンへ客室マネージャーは、自ら骨折していたことも知らず救助を続け、最後に事故機から脱出したとされる人物)

機長は別の乗務員から右のエンジンから火が出たという報告を受け、ようやく緊急脱出を指示したという。このとき、旅客機が停止してから90秒が過ぎていた。

炎が確認されてからは、避難は迅速に行われ、事故から2分後には緊急車両が現場に到着し、3分後には消火作業が始まったという。

 救急車両や消防車の到着がかなり遅かったとの現場報告がある。空港内の緊急部隊は緊急対応したものの、施設外の救急車や消防車の部隊到着がかなり遅れたと見られている。現地の消防署は否定している。

犠牲者は3人となった。最初に2名死亡が確認されていたが、そのうち1名は消防車両にひき殺されていた可能性を指摘されている。12日に入院していた重傷者の少女も亡くなった。いずれも中国人のアメリカのサマーキャンプに向かう女子高校生であった。(事故直後に放り出された1名の死亡と、停止後何らかの理由で地上に横たわっていた女子高生を、機体炎上の消火活動に従事していた消防車が轢き死亡。消防当局は、消防活動で移動する消防車両が、消火活動の泡で埋もれ横たわる女性を確認できなかったとしているが、真実は不明)
現地病院に今も入院しているのは6名、うち2名は重態。

<その他>
パイロット:4名、客室乗務員12名、乗客約290名

事故機は1ヶ月前にサンフランシスコ空港でエンジンから燃料が漏れる問題が発見され1日以上整備を受けていた。

イ・ガングク訓練操縦士(47歳)は、これまでの大型飛行機の飛行時間は43時間(小型免許での飛行時間は9,793時間)。サンフランシスコ空港へは初めての飛行。着陸も初めての経験だった。
ほかのパイロット3名は、いずれも1万時間超のベテランだが、指導していた本機長のイ・ジョンミン機長(46歳)は、こうした操縦士の指導は初めてだったという。

イ・ガングク訓練操縦士は150人乗りのエアバスA320 機(近・中距離用)での飛行時間は、2007年10月から今年3月まで2775時間あったという。(B777機は約400人乗り)
(A320型機の場合の着陸例では、アウターマーカー通過(高度約1650ft/500m)と同時にオートパイロット・オートスロットルを解除。着陸進入速度は137kt(約250km/h)・・・ほとんどB777型機と変わらない。)

訓練中のため、前2席の操縦席には機長とイ訓練操縦士が座り、イ訓練操縦士が操縦桿を握り運航していた。
副機長1名は後ろの補助席で運航状況を見ていた。もう一人の副機長は客室にいた。
(年下の機長が、年上の訓練操縦士を指導していた。・・・・何か問題ばかりが浮上しそう)

韓国の航空関係者は、この空港は着陸がやさしい空港ではない。航空交通量が多く、複雑。北西側から入り、方向を180度変えて降下する。航空機の騒音を防止するために高い所から急降下するよう誘導され、速度制限も受ける。滑走路の遠い距離から直線で入るのより難しいと述べている。欠陥空港だとも言い出している。

当B777型機はアシアナ航空が2006年3月に購入している。

アシアナ航空の尹社長は、暗に機体欠陥の可能性を指摘している。韓国のパイロットたちも多くが機体問題を指摘している。
韓国民間航空操縦士協会は12日、B777を製造したボーイング社の教本の説明が不十分とまで言い出している。

事故の保険問題が大きく絡んでいる。社長にとっては、引責問題や刑事事件に発展する可能性もある。
操縦士の操縦ミスならば、保険の内容からアシアナ社側に莫大な支払義務が生じる。

韓国のTV放送局アナウンサーが、「死者が中国人であったことは幸いであった」と報道し、中国のネットで大問題となり、アナウンサーらはその後詫びている。

8日、韓国では当事故に対して、報道機関や韓国民間航空操縦士協会、アシアナ航空社長、関係機関挙げてB777機自体に問題があったかなような論調を繰り返している。何か醜くすぎる。

9日には、こうした機体の問題ありとの韓国報道を受け、急落していたアシアナ株が急回復するほどだった。

NTSBでは、B777型機の飛行記録は1400項目からなっており、現在220項目を解読しての11日の報告であった。全部解明が済み報告できるのは、急いでも年内いっぱいかかるとしている。

ハースマン女史(43歳)委員長も、(すでに取られているが)韓国側などに揚げ足(すでに取られっぱなしであるが)取られないよう、ブラックボックスの内容などに基づき発表することが求められる。上院議員にでもなりたいのか売名行為のようで露出が多すぎる。出世欲が異常に強く、計算づくで異常に目立ちがり屋が多い米国人の特徴を持っている。

ロイター10:米国とカナダのパイロットらで作る乗員組合(ALPA)は、NTSBの情報公開が早過ぎると批判。性急な情報公開は誤った結論を導く可能性があると懸念を表明している。

事故調査に、多くの犠牲者を出した中国当局も入りたいとしており、とかくメーカー寄りの判断を下す米国とギャーギャー言って責任逃れしたく収拾つかない韓国に、中国当局が入ったら、最終調査報告ではある程度真実が語られるものと思われる。しかし、技術的な問題もあり、スパイ活動に利用される可能性から、中国当局の本格的な調査参加は望めないだろう。

韓国の全報道機関14:韓国の事故調査委員会は14日、事故原因が操縦士側にある印象を強く与えているとして、アメリカ側に対して調査した内容を一方的に公開しないよう求める異例の書簡を送った。

(中国と結託してうるさくなった韓国が、銭によるロビー活動で世界の地方から国までの議員を押さえ込んで世論操作を行うにも、今回の一連の動きは、一般の米国民に与える影響は計り知れないものになりつつある)

注、各報道機関名の後の数値は掲載された期日

追加記事:アシアナ航空B777事故と英国・日本での事故の同質化の無理
 

[ 2013年7月16日 ]
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