アイコン アシアナ航空B777事故と英国・日本での事故の同質化の無理

7月7日毎日新聞報道記事:
米西部カリフォルニア州・サンフランシスコ国際 空港で6日に起きた韓国アシアナ航空機事故。着陸に失敗したボーイング777(B777)は米ボーイング社が開発した双発ジェット機で、1995年に就航 した。死者が出た事故は今回が初めてで、最も安全な飛行機の一つと言われてきたが、2008年には英国で今回と同様、着陸に失敗した事故が起きている。

AP通信などによると、英国の事故は08年1月、ロンドン・ヒースロー空港で発生。北京発のブリティッシュ・エアウェイズ便が空港の約3キロ手前でエンジン2基の出力を失った。機体は滑走路手前の芝生に着陸。主翼が壊れ負傷者も出たが、死者はなかった。燃料中の水分が凍結しエンジンに燃料を供給できなくなったのが原因とされ、エンジンはその後、同様の事故を防ぐため改修された。
国内では10年5月、大阪空港で日本航空(JAL)便が着陸の際、機体の尾部を滑走路に接触させた。12年3月にも羽田空港に着陸したJAL便で同様のトラブルがあった。
以上、毎日新聞掲載

英国ヒースロー空港の事故は、話にならず、国内の事故は次のとおりである。
2010年5月9日、大阪空港で日本航空(JAL)便が着陸の際、着陸バランスが悪く、再着陸するため、復行したところ機体の尾部を滑走路に接触させた(国交省に事故報告書なし)事故。

2012年3月31日、羽田空港に着陸しようとしたJAL777型機の尻餅事故は、国交省の中間調査報告書によると、同機は風もあり(風向360度、8.7メートル)一度目の着陸に失敗し、そのまま復行を試み、滑走路を25秒間滑走、その間の20秒間はピッチ角が10度以上になっていたものと見られている(ピッチ角10度で尻を擦る角度になる)としている。

<777羽田尻餅事故 調査中の中間報告書>国交省2012年4月25日
DFDR(飛行記録装置)から判明した情報
1、 主脚が接地し、スポイラーが展開すると共にAUTO BRAKEのブレーキ圧が上昇した。
2、 エンジンの逆推力装置がアイドル位置になった。ほぼ同時に、機体のピッチ角が大きくなった。
3、 エンジンの逆推力装置がアイドル位置から、クローズ位置に戻り、スロットル・レバーが前方に進められエンジン推力が増加した。
(エンジンの逆推力装置がアイドル位置にあると、スロットル・レバーを前方に進めることができない。)
4、 機体後方下部に取り付けられているTail Strikeのセンサーが滑走路との接触を感知した。
5、 接地から、エンジン推力が増加して機体が再上昇するまで、約25秒間地上滑走をした。
6、 地上滑走中、ピッチ角10°以上を約20秒間記録しており、この間に、機体後方下部が滑走路に接触したものと推定される。(ピッチ角が約10°以上で機体後部が滑走路と接触する可能性がある。)

大阪空港の尻餅事故も、羽田同様の事故だったと見られる。いずれも負傷者や機体の大きな損傷はなかった。主脚が接地すればオート機能で停止する作業を飛行機自体が行うため、復行には解除手続きなど、いろいろな手続きが必要になる。
  
 日本の両事故は復行時に事故を生じさせており、今回のアシアナ事故は、着陸寸前ながら主軸が付かない段階で復行を試みている。
アシアナ機は、上昇に角度を変わる時、尻(尾翼)を防波堤に激突させたもので、スピードも規定より遅く、下降中に急に角度を変えたため、尻を落としたものと思われる。

しかし、アシアナ機の事故を、英国及び日本の事故と同列化することには、無理難題があると思われる。

毎日新聞も、こうした777機の事故例を記載するならば、国交省事故調の中間報告書を読んだ上で、事故原因もヒースロー空港での事故のように明確に掲載すべきであろう。(意図して日本の事故2例は詳細を記載しなかったのだろうか)
毎日新聞の掲載は、アシアナ航空の事故直後であり、朝鮮日報が今回、アシアナ航空の炎上事故と同視して掲載しているが、誤解を与える記事の責任は毎日新聞にある。
 

[ 2013年7月16日 ]
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