アイコン 会社代表の保証取らず 全銀協指針 少しだけ進歩だが・・・ 

上場企業の場合、銀行は貸付において、代表者個人の連帯保証など取っていな い。全国銀行協会などは、企業が、経営が破たんしたあとの中小企業の再出発を後押ししようと、資金を借り入れる際に経営者みずからが、保証人となる今の融 資の在り方を見直し、融資が返せなくなっても個人の財産のすべては没収しないようにすることなどを盛り込んだ指針をまとめたという。
多くの中小企業の経営者は、資金を借り入れる場合、信用力が乏しいなどとして金融機関から、自らが連帯保証人となるよう求められるのが現状で、いったん経営が破綻すると融資を個人で肩代わりする負担の大きさから、再出発が難しいと指摘されてきた。

このため全銀協や日本商工会議所などが、この現状を改善しようと、金融機関の中小企業に対する新たな融資の指針をまとめた。
そ れによると、中小企業に融資する際には、会社の収益力などに応じて、できるだけ経営者個人の保証を求めないようにするとしたうえで、保証を取った場合で も、金融機関は融資の肩代わりとして個人の財産をすべては没収せず、当面の生活資金として最大462万円を残すよう定めている。
この指針については、金融庁が各金融機関に順守を求め、取り組み状況も検証するとしており、来年2月から運用される見通しと報道されている。

これまで、多くの破綻企業の代表者は、企業破綻同時に、金融機関に対して連帯保証していることから、自己破産するしかなかった。また、民事再生でも金融機関に対して担保も提供していないにもかかわらず、連帯保証していることから代表の自宅は競売にかけられ、借家住まいとなっていた。

通常、会社は取引において、個人保証をしているケースはほとんどなく、もしもの会社破綻でも、弁護士に代表個人の代理人になってもらえば、個人の財産への遡及は免れる。しかし、金融機関の融資原則である経営者個人の連帯保証を求める姿勢では、経営者の個人破綻も逃れることはできなかった。そうしたことから見れば、大きな前進だろう。
しかし、中途半端な462万円を残すという、中途半端な資金の残しようでは、一般債権者から取り立てにあうのが関の山、上場企業に対する貸付のように、一切、会社資産以外の担保や保証を取らないようにすべきだ。

日本の金融機関は、担保主義からいつまで経っても抜け出せず、企業の経営数値・経営能力・開発能力に対する貸付能力がなさ過ぎる。また、ベンチャーキャピタル会社など投資会社も、上場による莫大なるキャピタルゲインを求めすぎ、上場を志さない企業に対しては融資も投資もしない。
企業間の有機的なビジネス結びつけなど、利益最優先の金融機関には遠い存在のファイナンス事業となっている。
それでも新自由主義経済は日本を襲ってくる。アメリカ型の金融モデルや経営モデルは5・10・15年遅れて必ず日本へやってきてくる。

[ 2013年12月 9日 ]
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