米医薬品大手イーライリリーは7日、新型コロナウイルスの治療薬として開発している「抗体医薬品」について、FDA=食品医薬品局に緊急の使用許可を申請したと発表した。
「抗体医薬品」は感染者の抗体をもとに作られ、感染予防や治療効果が期待されている。
第2相段階の臨床試験では、投与された患者の入院する確率が下がるなどの効果が確認されたとしていて、承認されれば、今月中に10万回分、年内に100万回分の供給を見込んでいる。
また、2種類の抗体を組み合わせた併用療法についても、緊急の使用許可を来月申請するとしている。
抗体医薬品をめぐっては、感染が確認されたトランプ大統領が、米リジェネロン・ファーマシューティカルズ社の抗体カクテルを投与したが未承認の医薬品。
追、蛍光タンパク質
トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療に使用された米リジェネロン・ファーマシューティカルズの抗体カクテル療法の開発で、蛍光タンパク質が許可を得ずに利用されたとして、この技術の特許を持つカリフォルニア州の企業が5日、同社を提訴した。
この企業は1999年創業で株式未公開のアレル・バイオテクノロジオー・アンド・ファーマシューティカルズ社。
アレル社はニューヨーク州南部地区の連邦地裁に起こした訴訟で、この抗体医薬の開発時におけるタンパク質「mNeonGreen」使用に関し、ロイヤルティー支払いを求めた。
アレル社は、これとは別に、コロナワクチン開発を進めるファイザーとビオンテックもカリフォルニア州の連邦地裁に提訴した。
蛍光タンパク質は、ウイルスが抗体にどう反応するかなどを見極めるため、何が起きているかを研究者が観察できるように細胞に注入される。
2019年3月に登録された「mNeonGreen」の特許は、その使用も対象に含まれる。
アレルによると、このタンパク質は抗体医薬やワクチン候補の有効性を検証する際の「ゴールドスタンダード」と科学誌で呼ばれている。