日本経済は4~6月期に需給ギャップがマイナス▲4.83%減となり、全体の「需要」が「供給力」を下回り、3年9ヶ月ぶりに需要不足の状態になっているという推計を日銀がまとめた。
専門家は「新コロナの影響を受けて物価が下がる傾向にあることを示している」と指摘している。
日銀は日本経済全体の需要と供給力の差を推計し「需給ギャップ」として公表していて、需要が供給力を上回れば需給ギャップはプラスに、下回ればマイナスとなる。このマイナス幅は、リーマンショック後の2009年4~6月期以来11年ぶりの水準。
4~6月期は、新コロナ感染拡大で全国に緊急事態宣言(4/7~5/25)が出された時期とも重なり、雇用情勢の悪化や工場の設備の稼働率が落ち込んだことなどが影響しているとみられている。
しかし、家計の消費支出額は、昨年10月消費税が10%に値上げされた月から減少し続け、今年8月まで11ヶ月連続の減少となっている。しかも8月は前年比▲6.8%も減少している。9月も昨年9月は消費税増前の駆け込み需要で大幅に消費は増加しており、12ヶ月連続マイナスは確実視されている。
焦点は10月の家計支出にあるが、雇用が回復しなければ、賃金の低下圧力も加わり、消費支出の回復も厳しいと見られる。すでに一部大手企業では冬季賞与の大幅減額を発表している。