京都ホテルは9日、グループの高級料亭「粟田山荘」を売却すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大で業績の回復が見通せないなか、手元資金を確保してホテルに経営資源を集中させる。
同料亭は1937年に西陣の織元の別荘として建てられ、890平方メートルの広大な庭園を持つ。今後2年ほどは京都ホテルが賃借して営業を続けるが、その後の用途は未定という。
売却先と金額は非公表、京都ホテルが1976年に購入した時と比べて4億3100万円の利益が出るという。3月中に売買契約を結ぶ。コロナの影響で粟田山荘は営業赤字となっていた。
「京都ホテルオークラ」などホテル部門や宴会部門の業績も厳しく、同社が同日発表した2020年4~12月期の単独決算は、最終損益が15億円の赤字(前年同期は22円の黒字)だった。
粟田山荘は京都市東山区の山裾にあり、2階建て数寄屋造りの建物と庭園からなる。料亭のほか結婚式場として営業してきた。先々まで埋まっている予約には対応する。