ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、域内で深刻な水不足が続く中、各工場向けに水を確保する予算を8億台湾元(約31億円)に引き上げた。従来予定の4倍で、水の購入や給水車の追加導入に充てる。自由時報などが伝えた。
昨年、台風襲来がなく、今年は水枯れ状態が続き、水を大量に利用する半導体企業は悪戦苦闘している。現在雨季(梅雨)に入っているが、大雨が降るような気象ではないようだ。
一方で、新コロナの感染者数が今月15日過ぎから急増し、半導体や電子産業も大きな影響を受けている。
台湾経済部(省)の王美花部長(大臣)は22日、衛生福利部(衛生省)中央流行疫情指揮中心の記者会見に出席し、企業に在宅勤務の導入を進めるよう要請した。台湾で新型コロナウイルス感染症が急拡大した5月中旬以降、政府高官自ら呼び掛けたのは初めて。
すでにどこの企業も社内の感染リスクを減らすため、生産現場の防疫強化し、業務部隊は在宅勤務に切り替えているところも多くなってきている。
23日、EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業は、台北市と新北市の拠点に勤務している従業員と、両市に居住しその他の県市に勤務している従業員を全て在宅勤務にすると発表した。
両市で新型コロナウイルスの感染が急拡大しているためで、期間は同日から30日までとしている。
両市にある工場については、生産や安全の維持に必要な人員以外は一律に立入禁止措置を取り、外部業者の進入も認めないことにしている。
EMS大手の和碩聯合科技(ペガトロン)や緯創資訊(ウィストロン)などでも従業員の感染が確認されている。
22日、ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、30代男性エンジニアの感染が19日確認され、接触者10数人を14日間の自宅待機にしたと発表した。同社は、会社の運営に支障はないとしている。
TSMC傘下で、8インチウエハーを専業とする世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)も同じく22日、桃園市の工場の従業員1人が新型コロナウイルスに感染したことを確認したと発表した。従業員は先ごろ、台湾政府からコロナ感染に関する警告のメッセージを受け取り、自主的に検査を受けたところ、17日に陽性反応が出た。世界先進は17日に社内の接触者を割り出し、隔離を実施。桃園工場では全面的な消毒作業を行った。18日以降は域内の生産部門以外の従業員に在宅勤務を命じた。
以上、
台湾のEMSメーカーにしろファンドリー会社にしろ、世界の電子機器や半導体を製造しており、新コロナで生産に支障が出た場合、世界市場が打撃を受けることになる。特にファンドリーのシステム半導体製造業者は、現在でも半導体が不足し、自動車産業は休業を余儀なくされている自動車大手も多く、生産拡大はあっても生産縮小は当面考えられない環境にある。
台湾政府も、感染者が多く発生している台北市や新北市(多くの半導体企業などが集積する工場団地がある)での店舗内飲食を禁止するなど、規制強化を打ち出し、マスクなしには罰金を科す政策に切り替えている。
これまで新コロナの感染者をほとんど発生させてこなかった台湾、急激な感染者増に対応に苦慮しているが、政府が陣頭指揮し、大手企業も防疫対策を強化しており、その効果は早期に出てくるものと見られる。
スクロール→
台湾感染者数
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累計
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日別
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5月4日
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1,153
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6
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5月10日
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1,199
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5月11日
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1,210
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11
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5月12日
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1,231
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21
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5月13日
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1,256
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25
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5月14日
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1,290
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34
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5月15日
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1,467
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177
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5月16日
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1,725
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258
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5月17日
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2,168
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443
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5月18日
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2,528
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360
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5月19日
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2,927
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399
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5月20日
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3,311
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384
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5月21日
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3,677
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366
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5月22日
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4,032
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355
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5月23日
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4,322
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290
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5月24日
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4,656
|
334
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