三菱電機が鉄道用空調装置の検査不正を繰り返していた問題で、製造拠点の長崎製作所(長崎県時津町)で、偽装された数値を自動的に作成するプログラムが1980年代から使われていた可能性が高いことが7月1日分かったと時事通信が報道している。
プログラムは、空調装置の冷房性能と消費電力を調べる際、顧客の指定とは異なる条件で試験を行っても、条件に沿った形に自動的に数値を偽装する優れもの。
指定通りに行った初号機の「形式試験」結果に基づき、「適当に数値をばらつかせた」(関係者)上で、合格証に当たる検査成績書を作成し、顧客に提出していたという。
顧客が指定する試験は手間暇がかかるため、三菱電機側が定めた条件で一律的に検査し、事後に数値を偽装して辻褄を合わせた。
プログラムによる不正は80年代には行われていたとみられるが、実際の不正はそれ以前から常態化していた可能性もあるという。
同社によると、検査不正は少なくとも85年ごろから2020年まで行われていた。
最大8万4600台が不正の対象になる可能性がある。
このうち6万8800台は国内の鉄道会社に出荷、1万5800台は海外の地下鉄などに納入された。