米ファイザーのミカエル・ドルステン最高科学責任者は8日、同社が独ビオンテックと開発した新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に3回目の追加接種の許可を来月中に申請する方針だと述べた。
2回目の接種から半年経過すると再感染リスクが高まる証拠が出てきたことや、感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)の広がりが理由。
イスラエル保健省は7月になり、デルタ株に対する同ワクチンの有効性は64%だと報告している(英保健省は6月中旬、ファイザー製の有効率は88%、AZ製は61%と発表していた。ただし1回目接種ではAZ製・ファイザー製ともに33%の有効性しかないとしていた)。
ドルステン氏は、イスラエルで最近、主に1月ないし2月にワクチン接種を終えた人が再び感染しているため、ワクチンの効果が弱まったとの報告があったと説明した。
同氏は「ファイザーのワクチンはデルタ株にも高い有効性がある」と主張しつつ、接種から半年後には「抗体が予想された通り弱まるため、再感染リスクが生じる公算がある」と認めた。
ファイザーは8日、イスラエルのワクチンデータを全面的に明らかにしなかったが、近く公表するとしている。
同氏は、イスラエルと英国のデータに基づくと、抗体レベルが下がってもなお、重症化を防ぐワクチンの効果は引き続き95%前後あると強調している。
さらにファイザーの独自調査で、3回の接種を受ければ抗体レベルが2回接種時の5~10倍に跳ね上がり、期待される効果を発揮することが窺えると付け加えた。
同氏によると、既に欧州など複数の国がファイザーに3回目の接種に向けた協議を打診しており、米国で許可される前にどこかで追加接種が始まる可能性があるという。
また同氏は、特に高齢者にとって追加接種は重要な意味を持つとの見方を示した。
以上、ロイターなど参照