今や世界最大の感染者発生国になったインドネシアでは、すでに医療パニックが生じ、酸素も不足して大量の死者も出ている。
40代の感染した女性は、医療機関を4日間も回り続け、それでも入院できず、酸素もなく、車の中で死亡したと報じられていた。
ロイター通信は、インドネシアで6月から7月10日までに181人の医療関係者が新コロナで死亡しているが、そのほとんどは中国シノバック製ワクチンを2回接種完了した人たちだったと報じている。
シノバック製ワクチンの有効性は低く、感染患者を現場で司る医療関係者にはより有効性の高いワクチンの接種が求められるが、中国のワクチン外交が先行し、その有効性を臨床治験段階では高く評価していたインドネシアでもあり、医療関係者に積極接種、また世界的な大幅なワクチン不足もあり、こうした感染急増地帯では医療陣まで感染して亡くなり、感染拡大、医療パニックをさらに助長させている。悲劇が悲劇を呼び込んでいる。
インドネシアでもこうした医療パニックに対する政治批判については、政府に対して政治批判は許されないとし、政府関係者から、批判を批判する厳しい発言が繰り返されている。ジョコ大統領の政権は親中の闘争民主党政権を核としている政権である。
インドネシアでは日本人の死亡も相次いでいるが、インドネシアから救出するための初動が日本政府は遅すぎた。インドネシア政府が新コロナ感染拡大で移動を禁止したときにはすでにジャカルタでは医療パニックが発生しており、即、飛行機を派遣すべきであった。当時、日本政府は日本人に対しては移動の制限を緩和するようにインドネシア政府に要請していた。