アイコン ワクチン完了76%で規制大幅緩和のシンガポール 感染拡大は抗体減少影響か

Posted:[ 2021年9月14日 ]

シンガポールでは、新コロナワクチン接種完了者の人口に占める割合は9月11日現在1回以上が78.7%、接種完了率が75.9%となっている。世界で最も接種率が高い国の一つとなっている。
10日から、接種完了者なら最大5人での外食を解禁するなど、同国政府は「接種者優遇」で経済活動の再開を慎重に進める考え。

シンガポールは昨年12月、アジアでいち早く米ファイザー製ワクチンの接種を開始。米モデルナ製も加えて集団接種を進めてきた。
ただ、デルタ株の流行で先週の日平均感染者数は385人、13日には607人がカウントされている。590万人の人口からすれば、大きな感染拡大期に入っているなか、同国はコロナ規制緩和を段階的に進める。

10日からは接種完了者に限り、飲食店での外食を解禁したほか、集まりの上限を現行の1組2人から5人に緩めた。未接種者が外食するには、感染検査の陰性証明を提示する必要がある。

接種者優遇策をめぐり「未接種者を罰する行為」「差別助長」と懸念する声もある。政府は「未接種者を守るのが狙い」と説明している。
以上、



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<シンガポールに現在感染リスク者数はどれほどいるのか>
同国の接種スピードは人口も限られ速かった。同国を見た場合、海外からの手稼ぎ労働者が多い密集地帯がある。国自体は590万人の小国家、国民の4割は密集地帯に住む移民労働者、国民にカウントされない出稼ぎ労働者数が非常に多い。

一方、シンガポールは接種が早く進んだ。しかし、接種したファイザー製ワクチンは3ヶ月過ぎれば中和抗体量が減り、6ヶ月経過すれば追加接種が必要だとファイザーも認め、追加接種を米FDAからも認可をとっている。
追加接種しなければ再び感染する確率が高くなるが、期間は不明ながら、感染しても重症化率は大幅に下がるとされている。また、追加接種すれば、大幅に抗体量が増加するとしている。

ファイザー製ワクチンは、元々デルタ株に対する有効率は88%、12%は感染するリスクがある。モデルナ製も似たようなものだ。

そんなこんなで、感染者が出るリスクは、①未完了者、②ブレークスルー者(接種完了者の12%)、③要ブースターショット者(2月までに接種完了者)、就労ビザの出稼ぎ労働者140万人のうち建設労働などの従事者70%、⑤12歳未満(人口の6%)での感染が広がっているものと見られる。
想定数約120万人、②約70万人、②約50万人、③約20万人、④約140万人
シンガポールでは以上の合計約400万人に感染リスクがあり人口の67%に相当する。

シンガポールでは出稼ぎ労働者たちの間でコロナ感染が拡大したため、そうした人たちにもワクチン接種している。人口に140万人を加算すれば(12歳未満含み)730万人が接種対象人口となり、接種率も落ちる。
シンガポールでは接種総回数が904万回(9/11現在)、9月から3回目の接種をスタートさせている。

集団免疫が構成されない原因は、現在、実質感染リスク対象の国内人口が67%に及んでいること、また国内外含め人の移動が広域化していることにあると見られる。

日本はワクチン接種が進んでおり、感染者数もだいぶ減り、一気に規制大幅緩和論が出ている。こうした国々に安易に追随するのではなく、規制緩和国の問題点を洗い出し、規制緩和を進めていくべきではないだろうか。

ワクチン接種についてはOurWorld in DATAのデータに基づく。感染者数はワールドメーター版使用。

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