7月に感染爆発したインドネシア、日本は8月、フィリピンは9月に、しかし、その後それぞれ急激に減少している。
何故だろうか。ベトナムでは感染再拡大、タイやマレーシアは下がりきらず高止まりしたままになっている。
どこの国も今では感染力が強く重症化率も高いとされるデルタ株によるもの、一方、ワクチン効果で押さえられていた感染者数もすでにイギリス(完了率68.4%)やイスラエル(62.3%)では賞味期限切れで再拡大、イスラエルは規制しながらブースターショット(追加接種率44.33%)を行い、9月上旬には日1万人台から最近は600人前後まで減らしている。一方、イギリスは規制を7月19日に放棄してウィズコロナ策を取り、追加接種(32.23%)もしている。規制解除した時点の感染者は日に4万人前後、その後3万~4万人台が続き、最近はオミクロン株か季節的なものか不明だが5万人を突破してきている。イギリスも規制を強化?、マスクするように呼びかけているが、守られていないのが実情のようだ。
マレーシアは半導体をパッケージ化する世界大手のセットメーカーがあり、8月の感染爆発ではロックダウン、世界の自動車メーカーの半導体不足に拍車をかけていた。そのマレーシアでは8月26日の2.4万人をピークに11月中旬には5千人台まで下がってきていたが、その後は4~6千人台が続いている。
タイは日本の自動車メーカーなど大量の日本企業が進出している。8月13日の2.3万人をピークにこれまで減少傾向が続いているが、まだ最近も4千人台が続いている。今年の4月まで大きな感染拡大を経験しておらず、対応に試行錯誤したものとも見られる。
今年7月まで感染者の拡大を押さえ込んできたため、感染が拡大した8月以降、対応に腐心している。
ベトナム8月下旬、1.6万人の感染者が発生、ロックダウンで対処し、10月中じゅなは3000人台まで減少、しかし、ロックダウンを解除したことから再び感染拡大、最近では1.5万人前後の感染者が発生しているが、ロックダウンなどの強行規制は用いておらず、感染が拡大する傾向にある。
ワクチン接種完了率はマレーシアが77.6%、タイは60.7%、ベトナムは57.4%。
そうした中、ワクチン接種率も少ないインドネシアとフィリピンで急激に下がった原因が見えてこない。
日本では感染者の減少原因について、
日本遺伝学研究所と新潟大学が共同研究で、APOBEC酵素の一つが、新コロナウイルスが持つ修復機能をするnsp14酵素の機能を阻害し、ウイルスが修復できなくなり自滅したという説と、
12月に入り、理研の研究陣が、日本人に多いHLA-A24:02酵素を持つ人が持つ記憶免疫キラーT細胞が、過去のコロナウイルス系の風邪の記憶を呼び戻し、ウイルスを死滅させたと学術誌で発表している。
惜しいことに両者ともフィリピン・インドネシアの感染激減には言及していない。
日本は、これまでいくつも山はあったが、その都度、強力な規制強化で、ヒトとヒトの接触を減らすことで感染者を激減させてきた。今回はワクチン効果もあり、その有効期間と合致したW効果により減少したことも事実だろうが、ここまで激減した理由はやはり別のところにあるのかもしれない。
そのためにもワクチン接種完了率が低いフィリピンとインドネシアの激減が注目される。
突き止めれば、抜本的なワクチンや治療薬の開発につながると思われるが・・・。
スクロール→
月の日平均感染者数
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|
日本
|
フィリピン
|
インドネシア
|
人口
|
126,650,000
|
111,670,000
|
277,680,000
|
20/12月
|
2,804
|
1,369
|
6,591
|
21/1月
|
5,000
|
1,663
|
10,810
|
2月
|
1,496
|
1,812
|
9,154
|
3月
|
1,369
|
5,317
|
5,712
|
4月
|
3,923
|
9,876
|
5,222
|
5月
|
4,959
|
6,221
|
4,946
|
6月
|
1,770
|
6,075
|
11,886
|
7月
|
4,084
|
5,428
|
38,519
|
8月
|
18,200
|
12,749
|
22,803
|
9月
|
7,155
|
19,130
|
4,528
|
10月
|
556
|
7,656
|
944
|
11月
|
150
|
1,522
|
402
|
12/10日
|
125
|
345
|
400
|
ワクチン接種2回完了率 12/10日更新分
|
人口比
|
91.5%
|
35.6%
|
36.8%
|
※出典:ourworldindata、worldometer、首相官邸、NHK
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