内閣府が5月18日に発表した今年1月~3月までのGDP=国内総生産は、速報値で物価変動を除いた実質の伸び率は、前3ヶ月と比較してマイナス▲0.2%となった。
前3ヶ月と比較した実質伸び率が年率換算(1年間継続した場合)してマイナス▲1.0%と2期ぶりのマイナスになった。
この期間に新コロナの蔓延防止等重点措置が各地に適用され、外食や旅行などのサービスの需要が低迷したほか、公共事業が落ち込んだことなどが主要因。
項目別にみると
GDPの半分以上を占める消費は前3ヶ月と比べマイナス0.03%
政府投資・公共投資はマイナス3.6%
輸入はプラス3.4%
以上はマイナスに寄与した。
設備投資はプラス0.5%
一方、名目GDPは、1~3月までの伸び率はエネルギー価格などの物価上昇を反映して前3ヶ月と比べてプラス0.1%、年率換算でプラス0.4%となっている。
2021年度(21/4月~22/3月)の年間伸長率はプラス2.1%で3年ぶりのプラスとなった。しかし、2020年度はマイナス▲4.5%の落ち込みであり、反動増は僅少だった。
↓GDP推移、
消費がGDPに占める割合は、マンション等の住宅投資も含めて57%前後。消費は所得が伸びない以上増加しない。製造工場は海外に出て行ってしまったが、その製造業の輸出にすべてを掛けている日銀および政府当局の構図が戦後から続いている。
↓個人の可処分所得10年推移
賞与月は2019年から少し伸びているが、ほかはほぼ10年変わらない。2018年までは社会保険料が増加し、僅かな報酬の伸びを取り上げていた。
↓家計最終消費支出の推移
財界企業は法人税減税も含めたアベノミクスにより、空前の企業利益を出していたが、就業者に還元されず、お金が循環しない構図が家計消費支出でも見て取れる。
スクロール→
家計最終消費支出の推移/内閣府
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四半期
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/10億円
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備考
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2011/ 1- 3.
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69,823.70
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東日本大震災
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4- 6.
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68,911.80
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7- 9.
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71,684.90
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10-12.
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73,001.80
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2012/ 1- 3.
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72,152.60
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4- 6.
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70,775.60
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7- 9.
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72,339.40
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10-12.
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73,604.90
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2013/ 1- 3.
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73,564.70
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4- 6.
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72,704.40
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アベノミクス
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7- 9.
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74,580.70
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10-12.
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75,602.00
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増税掛け込み需要
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2014/ 1- 3.
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76,063.50
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4- 6.
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70,894.70
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4月より消費税増税/法人税減税
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7- 9.
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72,938.90
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10-12.
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74,242.10
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2015/ 1- 3.
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73,463.40
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4- 6.
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72,082.90
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7- 9.
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73,476.20
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10-12.
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74,184.90
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2016/ 1- 3.
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73,209.10
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4- 6.
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71,381.30
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7- 9.
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72,715.60
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10-12.
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74,145.50
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2017/ 1- 3.
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73,426.40
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4- 6.
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72,678.80
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7- 9.
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73,331.50
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10-12.
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75,007.80
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2018/ 1- 3.
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73,716.50
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4- 6.
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72,950.40
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7- 9.
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73,820.20
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10-12.
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75,216.10
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2019/ 1- 3.
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73,687.60
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4- 6.
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72,898.40
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7- 9.
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74,178.50
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掛け込み需要
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10-12.
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73,010.70
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消費税増税
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2020/ 1- 3.
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71,811.80
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新コロナ事態+資源エネルギー価格20/4月暴落後、20/6月より回復、その後暴騰・穀物・食糧価格暴騰
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4- 6.
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64,589.10
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7- 9.
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68,669.10
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10-12.
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71,490.60
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新コロナ消費不振
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2021/ 1- 3.
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69,101.80
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4- 6.
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68,959.10
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7- 9.
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68,878.60
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10-12.
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72,559.10
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2022/ 1- 3.
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70,467.10
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露ウクライナ侵攻
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・円安は2022年3月10日以降
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