アイコン 4月の主要都市のオフィス空き室率 東京6.38%、大阪5.18%、札幌2.42%


三鬼商事が発表している主要都市のビジネス街区の4月のオフィスの空き室率は、再開発ビルや新ビル竣工が相次ぎ、全般的に悪化しているが、総じて、昨年10月を機に上昇はストップ小康状態にある。ただ、札幌では2%台と低位に推移しており、逼迫状態が続いている。
東京・大阪は再開発ビルなどの竣工が続いている。再開発ビルは当然、増床されているが、足元では東京は昨年10月6.47%から6.38%まで新規完成の再開発オフィスビルの増床を吸収して上昇に歯止めがかかっている。

22年2・3月期の決算が発表されている。新コロナパンデミックによる業績の明暗ははっきりしてきており、ここにきても生産者物価高騰が更なる追い討ちをかけるものと見られる。
これまでの多くの完成してきた大型再開発ビルは新コロナ惨禍を想定せず計画されており、2024年以降都心で完成する大型再開発ビルはコロナ後を想定して完成してくる。

ちなみにアベノミクス初年度の2013年4月の東京のビジネス街区の空き室率は8.54%、その後、アベノミクスによる空前の企業景気、また東京五輪に向け再開発が目白押しになり、その仮事務所への移転もあり、空き室率は減り続け、20年2月には1.49%まで下落した。それまでは竣工した再開発ビルの新規入居ニーズは高く、顕著な空き室不足が生じていた。
ところが、アベノミクス終了もウイルスとともに飛来、仕掛け人退任の20年9月には3.43%まで空き室率は急増していた。

 

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世はウィズコロナ策が導入されている。世界の日本のインバウンドの主力だった中国のように「ゼロコロナ策」を講じる国もある。
国内では、気分はもうポストコロナ、しかし、陽性率が非常に高く検査数が少なく、比例して新規陽性者数の発生数も少なくなっているとも言え(それでも最近増加している)。そのため感染し抗体を持つか、ワクチンにより抗体を持つしか防疫できない実態も明らかになっている。まだ完全払拭するには程遠い状態が現実だが・・・。

日本のビジネスを回復させるには、国際交流が活発になるしかない。そうした魅力ある発信が世界に向けできるか、ポストコロナに向け日本は問われる。文化・学術・新技術・新産業、過去の文化・観光遺産に依存するだけでは、かつて黄金期を作ったスペインではあるまいし・・・。

※空き室率の数値はすべて三鬼商事の発表値に基づいている。


スクロール→

22年4月主要都市のオフィス空室率状況と賃料

三鬼商事版

 

 

空き室率%

平均賃料

札幌

18/12

2.33

8,757

19/12

1.91

9,144

20/12

2.66

9,468

21/12

2.61

9,547

22/4

2.42

9,579

 

仙台

18/12

4.40

9,109

19/12

4.19

9,197

20/12

5.51

9,316

21/12

6.59

9,272

22/4

5.26

9,261

 

東京

18/12

1.88

20,887

19/12

1.55

22,206

20/12

4.49

21,999

21/12

6.33

20,596

22/4

6.38

20,328

 

横浜

18/12

2.55

11,377

19/12

2.00

11,862

20/12

3.85

12,271

21/12

4.77

12,398

22/4

4.75

12,418

 

名古屋

18/12

2.72

11,152

19/12

1.92

11,568

20/12

3.80

11,819

21/12

5.64

12,008

22/4

6.06

12,069

 

大阪

18/12

2.83

11,423

19/12

1.82

11,794

20/12

3.44

11,925

21/12

4.53

11,796

22/4

5.18

11,868

 

福岡

18/12

2.04

9,974

19/12

2.09

10,547

20/12

3.79

11,086

21/12

4.53

11,177

22/4

4.97

11,300

・家賃は坪単価・円、三鬼商事による調査データ

 

東京は再開発ビルが東京五輪に向け目白押しに竣工、それまで仮移転していた開発地の事務所が空き室率を大幅に減少させていたものの、再開発ビルが竣工して移転、今年も大幅に増床した再開発ビルの竣工予定が多くあり、その穴が竣工するたびに大きくなっている。東京五輪の新コロナによる不発弾は東京一極集中さえ、懐疑的にさせている。

東京ビジネス街区のオフィス空き室率状況 

 

20/12

21/12

22/4

20年末比

千代田区

3.23

4.58

5.01

1.78

中央区

4.13

5.94

6.38

2.25

港区

5.79

8.56

8.33

2.54

新宿区

4.17

6.04

5.55

1.38

渋谷区

5.34

5.51

5.30

-0.04

東京都ビジネス街区

4.49

6.33

6.38

1.89

・赤は空き室率悪化ポイント

東京ビジネス街区のオフィスの平均賃料推移

 

20/12

21/12

22/4

20末比

千代田区

23,622

22,170

22,212

-6.0%

中央区

19,723

18,647

18,427

-6.6%

港区

22,316

20,807

20,353

-8.8%

新宿区

19,943

18,910

18,559

-6.9%

渋谷区

23,816

21,845

21,569

-9.4%

東京都ビジネス街区

21,999

20,596

20,328

-7.6%

             

 

大阪ビジネス街では2月に埋めたに大規模ビル、新大阪に新知己ビル3等が竣工し、空き室率の増加となっている。

大阪ビジネス街区の空き室率/三鬼商事版

 

19/12

20/12

21/12

22/4

昨年末比

梅田

0.85

2.75

4.21

5.11

0.90

15,628

15,914

15,836

15,921

85

南森町

3.77

3.86

3.73

3.67

-0.06

9,489

9,481

9,289

9,385

96

淀屋橋・本町

1.46

2.63

4.37

4.34

-0.03

11,421

11,551

11,288

11,382

94

船場

2.94

5.22

5.12

4.56

-0.56

10,336

10,240

10,175

10,204

29

心斎橋・難波

3.41

4.88

4.15

4.28

0.13

12,122

12,718

12,125

12,125

0

新大阪

2.76

4.81

5.88

9.96

4.08

10,763

11,099

11,327

11,379

52

大阪ビジネス街区

1.82

3.44

4.53

5.18

0.65

11,794

11,925

11,796

11,868

72

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[ 2022年5月17日 ]

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