国土交通省の大臣ポストは、自民党政権では公明党の定席となっている。森改造内閣が発足した2001年の扇千景国交大臣から続いている。
理由は国交省が巨額の建設予算を持ち、自民党の大臣では贈収賄事件が絶えなかったことによるものだった。
その国交省では、国の統計の中でも特に重要な「基幹統計」をめぐって、データを書き換えるなど不適切な処理をしていた問題が発覚、過去にさかのぼって調査したところ、推計で8年間に34兆円余り、過大に数値を計上していた。
国の基幹統計の1つで建設業の毎月の受注動向を示す「建設工事受注動態統計」、事業者から送られたデータを書き換えるなど、不適切な処理を続けていた。
この問題について、今年5月、外部の有識者会議で新たな分析方法が示されたことから、2013年度から2021年度までの9年分を国交省が改めて算出した。
それによると、不適切な処理が続いていた2020年度までの8年間に元請けと下請けを合わせた「受注高」の合計は、推計で合わせて34兆5千億円を過大計上していたという。
年間の平均で4兆3千億円余り、率にすると3.6%~6.5%数値が押し上げられていた。
また、この統計のうち元請け業者が期間内に完了した工事の金額を計上し、GDPの算出にも使われる「建設総合統計」については、2019年度と2020年度に0.6%不正によって数値が押し上げられていたという。
以上、