160円突破、150円台を今年3月からこなれた対ドル円の為替は160円を突破してきた。ドルは世界の機軸通貨であり、資源も食料品も乏しく外国依存度の高い日本を直撃している。
欧米先進国はインフレ退治の高金利政策により物価は落ち着いてきているが、先進国で日本だけは、マイナス金利を続け(今年3月-0.1%から0.1%に引き上げ)、超円安による輸入物価高騰が生じ続け、一方で、賃金が微々しか上がらず実質賃金のマイナスが続き、GDPの半分以上を占める消費が低迷、デフレを通り越し、消費減少、物価高という最悪のスタフグレーションの様相を強めている。
スクロール→
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消費者支出推移 /内閣府 単位:千億円
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19年
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20年
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21年
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22年
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23年
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24年
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1Q
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302
|
297
|
288
|
291
|
300
|
294
|
|
2Q
|
302
|
273
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289
|
297
|
298
|
|
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3Q
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305
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287
|
286
|
297
|
297
|
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4Q
|
294
|
292
|
295
|
298
|
296
|
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計
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1,203
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1,149
|
1,158
|
1,183
|
1,191
|
294
|
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前年比
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-0.6%
|
-4.5%
|
0.8%
|
2.2%
|
0.7%
|
-2.0%
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|
前年比
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-0.6%
|
95.5%
|
100.8%
|
102.2%
|
100.7%
|
98.0%
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原因は下記に示すとおりいろいろあるが、円というこれまでの対ドル円・対ユーロ円で円の価値を維持してきたファンダメンタルズが崩壊しかかっていることに起因してきている。
円とともに以前からドルに強かったスイスフランも、物価高で22年6月には、それまでの-0.25%から23年6月までに3.5%まで引き上げ、物価が安定期に入り、24年6月には1.25%まで引き下げている。882万人と人口の少ないスイスには世界的な銀行、保険会社、製薬会社、海運会社、食品会社、時計会社、宝飾会社などいくつもある。こうした企業が14倍人口の多い日本にはトヨタなど数えるほどしかない。日本はバイ・・・の政権が続き、ハゲタカの米国から言われるがまま潰し続け、まったく育てようともせず、日本を衰退させ続けている。
経営者の長期身の保全=権力維持のためだけの利益第一主義に走り、長期にわたり不正までして利益を出している。特に官民が一体となり、基礎技術開発への研究投資を減少させ続け、もはや日本発で世界へ発信できる製品は何も生み出されなくなってきている。
そうした間に投資し続けているシリコンバレー・米大学発、中関村などはAIなどソフト面で進化させ続け、台湾や韓国財閥は半導体のハード面を進化させ続けている。
対ドルスイスフランは
19/12月は1ドル:0.972スイスフラン、
20/12月は0.885、
21/12月は、0.911
22/12月は、0.924
23/12月は、0.0841
24/6/26日、0.897
(日本は超大胆な大金融緩和策を採り続けているが、超円安に冬でもないのに金のタマを萎縮させたまま動かず、やっと微動したものの、世界のハゲタカから無視され、さらに円安が加速している。ラスプーチンの黒田氏は2013年から日銀山を噴火させ溶岩を流し続けたまま2023年4月に尻も拭かず退任、次の岸田・植田のコンビには輝くキンの玉もしっかりしたホースもなく、神田大明神の念力も短時間失速の状況を続けながら160円台に突入している。田ンボばっかし。
ただ、11月5月の米大統領選でトランプが復帰すれば、米国の膨大な貿易赤字を嫌い続けており、世界からの輸入品にすべて10%の関税を課す構想(中国は25%⇒60%)を打ち上げている。政治経済貿易のあらゆる面にトランプリスクが生じる可能性もある。
これまでの原因は
1、基準金利の差
為替変動の主要因は、中央銀行の基準金利と関係がある10年国債の金利差拡大にあるとされ、下記表が示すとおり、原因の一つであるに過ぎない。
2、日本の外貨準備高の対外信用
日本の対外信用を裏付ける大きな柱の一つであるが、日本の信用が損なわれ続けていることになる。
外貨準備高の核となっている米国債保有高も22年2月1.30兆ドルだったが、24年4月では1.15兆ドルまで減少している。22年10月には1.06兆ドルまで減少していた。これは円暴落の対抗策でドル売り、円買いを進めた結果と見られる。ただ、公定歩合ではなく為替介入は(貿易赤字国の)米国が一番嫌い、中国のように米国と貿易戦争でもしない限り、急激な円安でもない限り介入は難しくもなっている。日本は米国による為替操作監視国でもある。
中国は1.4兆ドル台まで上昇した米国債残高が、エンティティリスト掲載数の増加も含め米中貿易戦争激化により、今年4月には0.77兆ドルまでほぼ半減させている。この減少した資金が一帯一路の世界覇権資金に活用し、世界中の国を(高利の)借金の漬物国に変容させ続けている。ただ、貸付限度額オーバーで取立てに回った国々では中国離れが加速している。新興国とその国の政権者たちにとって中国資金は最大の甘い汁になっており、中国が流し続ければ甘い汁を吸い続ける政権が続くことになる。金の切れ目が縁の切れ目。
3.崩壊させた財政規律と膨張し続ける政府債務残高
増加する一方の日本政府負債、国際間比較のGDP比では265%まで膨張している。23年のGDPは超円安効果により自国通貨では大幅増となったが、国際比較のドル換算値では暴落し、22年3位だった日本は、23年にはドイツに抜かれ4位となっている。すぐ後ろにはインドが迫っている。
スクロール→
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日本のGDP(名目) IMF版
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円
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対前年比
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ドル換算
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対前年比
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暦年
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兆円
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百億ドル
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2000年
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482
|
2.7%
|
496
|
7.1%
|
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2010年
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505
|
2.2%
|
575
|
8.9%
|
|
2019年
|
557
|
0.1%
|
511
|
1.3%
|
|
2020年
|
539
|
-3.2%
|
505
|
-1.2%
|
|
2021年
|
552
|
2.4%
|
503
|
-0.4%
|
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2022年
|
559
|
1.3%
|
425
|
-15.5%
|
|
2023年
|
591
|
5.7%
|
421
|
-0.9%
|
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2000年比
|
|
22.6%
|
|
-15.2%
|
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2010年比
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|
17.0%
|
|
-26.8%
|
|
2019年比
|
|
6.1%
|
|
-17.0%
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財政規律は国際間の為替体制を維持する要となっており、そのため欧米先進国では厳しい財政規律が敷かれている。日本は外資の日本国債買入比率が低く、ましてや大金融緩和と称して政府の子会社にしてしまった日銀の日本国債保有。金融機関が保有していた吸い上げ(金利をマイナスにすることで)実質、国債を買い取り続け、今ではそのほとんどを日銀が抱え込んでいるため、日本の国家金融は、国際間での信用の尺度をなくし、信用低下=円安を加速させる原因ともなっている。
日本国債のほとんどを購入していた日本のメガバンクやメガ生保の資金が、海外投資へまわり、円安を加速させる要因ともなっている。
5、岸田政権の悪玉菌=新NISA
日本株は23年4月からバフェット効果により、世界の投資機関が着目し、大幅に上昇した。結果、膨大なドル売り円買いが生じている。しかし、為替は歯止めなく円安が続いている。新NISAになって毎月積み立てられる資金のうち毎月7~8千億円が外国証券や外国債権に投資され、バフェット効果の円高を相殺させるどころか、円安を加速させている。
追、2021年1月に就任した米バイデン、大統領就任祝い(名目は新コロナ経済対策)の経済対策予算で1.9兆ドルを可決、21年8月からインフレが加速、世界中で物価が高騰、ロシアのウクライナ侵攻前の22年2月の米インフレ率は7.9%まで上昇していた。22年3月のプーチン露制裁により資源エネ価格が暴騰、穀物価格もさらに上昇、先進国はインフレ退治の金利上昇により物価は安定してきているが、日本だけは岸田政権の超円安政策により超円安輸入物価高騰が継続し続けている。特に給与を上げない日本は物価高で国民消費を直撃しており、特に食料品の高騰が続いている。食料品は政府奨励により値上げを続けた結果、24年3月期、過去15年で最高の営業利益と純利益を計上している上場大手食品会社もある。国民を守るはずの食管制度は、政府による護送船団方式を続けさせ、企業に甘い汁を吸わせ続けている。
6、超円安時代の貿易赤字、
2000年代と2010年代以降を比較すれば、大幅に輸出数量が減少し続けている。これは2つの理由にある。
日本から製造業の工場が海外移転し続け、すでに日本は輸出立国でなくなり久しいこと。
23年は2019年と比し為替は40%円安となっているが、輸出(円)額は21%しか増加していない。輸出数量(輸出指数と同意味)の減少がこのことを如実に表している。
これは実行力が美談として語り続けられる小泉の時代から、政府も企業も聖域なき削減を今に続け、企業の投資も老朽化対策の更新投資に限り、発明・新技術開発及び新製品開発や生産性向上の投資を怠ってきた日本政府機関と企業の国際競争力の低下に起因している(但し、企業にあって、高い商品競争力を有していても日本で製造して輸出していないモノもある)。ただ、いまや特許数や学術研究論文の一定数以上の既読論文数では、人口半分以下の韓国に抜かれた報告もなされている。
スクロール→
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日本の金融事情/数値は日経公表資料各種より
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為替
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10年国債(長期金利)
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日外貨
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日本
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|
対ドル
|
日本
|
米国
|
日米差
|
準備高
|
政府負債
|
|
月末
|
円
|
%
|
%
|
%
|
兆ドル
|
年GDP比
|
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19/12.
|
108.65
|
-0.022
|
1.783
|
1.805
|
1.32
|
236.3
|
|
20/12.
|
103.25
|
0.021
|
0.912
|
0.891
|
1.39
|
259.4
|
|
21/12.
|
115.08
|
0.070
|
1.498
|
1.428
|
1.41
|
262.5
|
|
22/3.
|
121.66
|
0.215
|
2.375
|
2.160
|
1.36
|
|
|
22/6.
|
135.73
|
0.221
|
2.904
|
2.683
|
1.31
|
|
|
22/9.
|
144.75
|
0.245
|
3.804
|
3.559
|
1.24
|
|
|
22/12.
|
131.11
|
0.418
|
3.819
|
3.401
|
1.23
|
263.9
|
|
23/3.
|
132.79
|
0.324
|
3.490
|
3.166
|
1.26
|
|
|
23/6.
|
144.32
|
0.396
|
3.819
|
3.423
|
1.25
|
|
|
23/.9.
|
149.35
|
0.771
|
4.571
|
3.800
|
1.24
|
|
|
23/12.
|
141.06
|
0.616
|
3.860
|
3.244
|
1.29
|
265.9
|
|
24/1.
|
146.88
|
0.736
|
3.965
|
3.229
|
1.29
|
|
|
24/2.
|
149.98
|
0.715
|
4.252
|
3.537
|
1.28
|
|
|
24/3.
|
151.31
|
0.726
|
4.210
|
3.484
|
1.29
|
|
|
24/4.
|
157.73
|
0.875
|
4.681
|
3.806
|
1.28
|
|
|
24/5.
|
157.27
|
1.074
|
4.502
|
3.428
|
1.23
|
|
|
6/26日.
|
160.62
|
1.024
|
4.331
|
3.307
|
|
|