欧州ではEUのご加護もあり、EV市場の最大のバッテリーメーカーに成長すると目されたノースボルト、政治主導のEV、政治がバックアップせず、EVが売れず11月、民事再生で経営破綻した。
政治がEVを普及させているにもかかわらず、政治が伴わず、高価格、充電設備のインフラ未整備(是正中)、耐用年数、火災問題、ローン金利高(是正中)、中古車価格下落・・・等マイナス要因ばかり。
金持ちの環境派にはすでに一巡、大きな補助金を付け再度ブームでも生じさせない限り、EVは政治の空念仏に終わる可能性もある。
政治がバイデン政権とウクライナに翻弄され、国民は国民を第一にすべきだと政府に反旗を翻し民族主義者が台頭、政府は右往左往し政策の中心軸さえ喪失させている。
<EV売れなくなった>
結果、補助金さえなくなったドイツではEVが売れなくなり、政府とともにあるVWは業績を急悪化させ、工場閉鎖・大幅リストラに追い込まれている。
特にドイツでは上記の理由で売れなくなってきたEVに追い討ちをかけ、昨年12月で突然補助金を打ち切ったこともVWの不振に拍車をかけた。
VW 2200億円焦げ付き
●VWはノースボルトを提携先にして出資、2019年9億ユーロ、2023年ドイツ工場誘致に伴い5億ユーロの計14億ユーロ(約2200億円出資)していた。
さらに、中国勢は100万円台(7万元~/現地価格)からEVもPHVも販売しており、こうした低価格品が輸入されれば、欧州自動車産業そのものが危機に陥ることになる。
欧州最大のバッテリーセルメーカーであるスウェーデンのノースボルト社が破産し、その波紋が広がっている。
電気自動車(EV)のキャズム(一時的な需要後退)に耐えられなかった新生バッテリーメーカーが退出を余儀なくされる構造調整の信号弾との見通しも出ている。韓国企業が世界のEVバッテリー市場を掌握しつつある中国企業の唯一の「対抗馬」として浮上するか注目される。
●11月26日、ノースボルト社の筆頭株主である欧州のフォルクスワーゲングループが保有持分を大量に消却(会計上の損失処理)したことが確認された。ロイター通信が報じた。
VW-Gは2019年に9億ユーロ(約1430億円)に続き、昨年追加で5億ユーロ(約800億円)を投資し、持分21%を確保して筆頭株主となっていた。
まだ正確な消却規模は明らかになっていないが、保有持分を全額消却する場合、ノースボルト投資による損失規模は最大で2200億円に達することになる。
●ノースボルト社の持分19.2%を持つゴールドマンサックスも23日、保有持分を全額消却し1100億円ほどの損失を被っている。
●ノースボルトとスウェーデンのボルボ社も2021年6月に合弁会社設立、当初はノースボルト社生産のバッテリーをボルボ社に供給、その後合弁工場を建設し2026年からボルボ向けに生産開始する計画だった。
●ノースボルトは、破綻時手元資金は3千万ドルしかなく、破綻申請後、2.45億ドル資金調達が可能となる。VW系のスウェーデンのトラックメーカー「スカニア」は11月21日、ノースボルトに対し、電池製造支援のため1億ドル(約150億円)を融資することを明らかにしていた。
◎ノースボルト
2016年10月、米テスラで調達を担当して副社長だったピーター・カールソン氏がスピンアウトし立ち上げた新興EV用バッテリーメーカー。
ノースボルトの総開発責任者は阿武保郎氏、パナソニックやソニー、戸田工業などで34年余り電池技術者としての経歴を持つ。
元々、テスラのイーロンマスク氏はサンヨーの充電電池のニッカド電池も元に研究開始、サンヨーが破綻し事業継承したパナ社がテスラ事業を引き継いだ経緯があり、阿武氏もパナ社時代にテスラと関係していたとみられる。
2021年に年間EV百万台分のEVバッテリーを生産開始。
スウェーデンを皮切りにドイツ、米国、カナダ、ポーランドに進出計画を発表し、今年3月にはドイツ工場を着工させていた。
しかし、
コスト高=環境にやさしいバッテリー
再生可能エネルギーによる工場操業
使用済みバッテリーのリサイクル事業
今回の販売不振=大幅の販売台数の伸び鈍化
ドイツをはじめとしたEUの政策のまずさから、EVは売れず、VWはドイツ国内の3工場を閉鎖、伴い数万人の解雇を予告、さらにAG部門では賃金の10%削減も求めている。
また、中国でもウイグル工場を合弁先の上海汽車へ売却することで合意した。2019年に完成した同工場隣接の試験走行コースの建設時に強制労働が行われた可能性があり、株主などからの撤退圧力が強まっていたこともあるが、VWも中国で売れておらず、先々販売が回復する余地は小さく、そうした株主圧力もありウイグルから撤退するのが本年のようだ。ウイグルの工場1ヶ所、テストコース2ヶ所のすべてを上海汽車に売却する。
自動車産業はドイツ最大の産業、サプライチェーンへの影響は計り知れないものとなる。そのEVの筆頭にEV用バッテリーのノースボルトが破綻したものでもある。
※ 数値はマークラインズ社発表分
※ 新エネ車とはEV+PHV+FCV
24年1~10月の新エネ車販売台数は前年同期間比26.0%増の1,176万台、うち中国が33.9%増の975万台で、中国は伸びているが、ほかの国計では減っていることを表している。
スクロール→
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新エネ車 主要11ケ国+北欧3ケ国の合計/千台
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22年
|
前年比
|
23年
|
前年比
|
24年
|
前年比
|
|
1月
|
|
|
554
|
-1.1
|
900
|
65.4
|
|
2月
|
|
|
690
|
42.0
|
681
|
-0.7
|
|
3月
|
|
|
941
|
24.0
|
1,125
|
19.1
|
|
4月
|
|
|
802
|
61.7
|
1,026
|
27.2
|
|
5月
|
|
|
928
|
45.7
|
1,164
|
24.6
|
|
6月
|
|
|
1,090
|
32.3
|
1,312
|
19.6
|
|
7月
|
810
|
75.5
|
983
|
29.5
|
1,179
|
20.0
|
|
8月
|
870
|
75.3
|
1,088
|
36.5
|
1,266
|
16.4
|
|
9月
|
955
|
59.3
|
1,149
|
20.6
|
1,508
|
32.5
|
|
10月
|
904
|
51.5
|
1,113
|
27.9
|
1,606
|
43.1
|
|
11月
|
1,045
|
53.8
|
1,243
|
22.5
|
|
|
|
12月
|
1,218
|
52.4
|
1,427
|
21.9
|
|
|
|
|
|
|
12,008
|
|
11,767
|
26.0
|
ドイツ 連立与党のよろよろ政権、地方では民族派台頭
1~10月の新エネ車販売台数は▲18.0%減の46万42百台。ドイツでは昨年12月までで新エネ車購入補助金がなくなっている。
欧州ではドイツは最大自動車市場であり、1~10月では全体では▲0.4%減だが、新エネ車は上記のとおりで、その新エネ車販売台数減はVWやノースボルトを直撃している。
スクロール→
|
ドイツ 自動車販売台数
|
|
/千台
|
24年
|
23年
|
22年
|
21年
|
23/22比
|
24/23比
|
|
1月
|
213
|
179
|
184
|
169
|
-2.7%
|
19.0%
|
|
2月
|
217
|
206
|
200
|
194
|
3.0%
|
5.3%
|
|
3月
|
263
|
281
|
241
|
292
|
16.6%
|
-6.4%
|
|
4月
|
243
|
202
|
180
|
229
|
12.2%
|
20.3%
|
|
5月
|
236
|
246
|
207
|
230
|
18.8%
|
-4.1%
|
|
6月
|
297
|
280
|
224
|
274
|
25.0%
|
6.1%
|
|
7月
|
238
|
243
|
205
|
236
|
18.5%
|
-2.1%
|
|
8月
|
197
|
273
|
199
|
193
|
37.2%
|
-27.9%
|
|
9月
|
208
|
224
|
224
|
197
|
0.0%
|
-7.2%
|
|
10月
|
231
|
218
|
208
|
178
|
4.8%
|
5.9%
|
|
11月
|
|
245
|
260
|
198
|
-5.8%
|
|
|
12月
|
|
241
|
314
|
227
|
-23.2%
|
|
|
年計
|
2,343
|
2,844
|
2,646
|
2,622
|
7.5%
|
-0.4%
|
|
前年比
|
-0.4%
|
7.5%
|
1.1%
|
-10.1%
|
|
|