アイコン "全能組合"の終焉ーJAと漁協が支配する農水ビジネスの限界

Posted:[ 2025年4月18日 ]

――JA依存と漁協の不透明性、一次産業の再生には構造改革が不可欠

物価高や人口減に苦しむ地方で、農業関連の倒産がじわじわと増加している。かつては「生活の柱」として地域経済を支えた農業・漁業だが、いまや経営的な自立を果たせないまま、制度のしがらみに絡め取られて沈んでいく――そんな光景が各地で現実となりつつある。

構造的問題のひとつが、JA(農業協同組合)と漁協(漁業協同組合)のあり方だ。特にJAに関しては、資材供給から出荷、金融、保険、年金までを掌握するその全能的構造が「農家のため」ではなく「組織維持のため」に機能しているという批判が根強い。

農家の倒産が増える一方で、JA本体の収益は安定している――そんな皮肉な構図が、業界内でささやかれて久しい。農業従事者の減少が止まらず、法人化も進まぬなか、販路も価格もJAを通じてしか動かないという仕組みが、若手の新規参入を阻んでいる。

こうした組合支配構造は、漁業の現場にも共通している。特に漁協を取り巻く環境では、不透明な利権と補助金の温床となる中で、反社会的勢力の介在が長年問題となってきた。

 



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警察庁は令和5年、漁業協同組合からの暴力団排除に関する新たな通達を発出。組合役員や組合員が「暴力団員等」である場合、疑義があれば警察が調査を行い、組合から排除できる仕組みを強化した。平成28年の旧通達を引き継ぎ、より実効性ある対応を狙う。

特筆すべきは、従来の「行為要件」による除名に加えて、現在では「属性要件」だけでも組合加入の拒否や排除が可能となった点だ。これにより、表向き“引退”した元構成員などの関与を早期に遮断できる体制が整いつつある。

だが、実際の地方漁協では、建設利権や補助金に絡む不透明な取引が依然として残っているケースもあり、「業界の自浄能力」には限界がある。こうした組合の内部統制の甘さや、地域との癒着体質が、一次産業の再編を阻む大きな壁となっているのだ。

農業も漁業も、本来は地域の基盤であり、国家の食料安全保障を担う重要な産業である。 
だからこそ、「守る組織」がその機能を果たせなくなった今、思い切った制度のリストラクチャリングが求められている。

一次産業の未来は、補助金ではなく経営力で守られるべき時代に入っている。

 

石破

 


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