アイコン 地域から企業が消えていく/「後継者難倒産」の連鎖が突きつける現実


静かに、しかし確実に地域の産業基盤が崩れつつある。中小企業が後継者を見つけられず、廃業や倒産に追い込まれる「後継者難倒産」が、全国で深刻な広がりを見せている。表面化しにくいこの現象は、今や地域社会の未来を根底から脅かす“静かな危機”となっている。

長年積み重ねてきた技術、雇用、顧客との信頼関係――それらが、承継の不在によって一夜にして消え去っている。単なる経営の終焉ではない。地域の文化や経済の記憶までもが、無音のまま断ち切られているのだ。

 

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この問題の根本には、経営者の高齢化と後継者不在という構造的な要因がある。だが、それ以上に深刻なのは、国や自治体の対策が危機のスピードに追いついていないことだ。中小企業が承継に取り組むには、法制度、資金、専門知識、そして支援体制が必要だが、現場ではいまだ「自己責任」の空気が支配している。

事業承継支援センターやM&A支援制度が整備されつつあるとはいえ、それはごく一部の企業しか利用できない「絵に描いた餅」である。とりわけ地方では、情報すら届かず、相談相手もいない。承継計画どころか、明日の操業も見通せない企業がどれほど多いか、実態は把握されていない。

このままでは、後継者難倒産は“見えない大量倒産”として地域経済をじわじわと侵食していく。産業の空洞化、人口流出、税収減、公共サービスの衰退――すべてが連鎖的に起こる「地方消滅」への現実的な第一歩である。

必要なのは、危機としての自覚だ。企業経営者はもちろん、国も、金融機関も、そして地域住民も、「このままでは何が失われるのか」を直視しなければならない。事業承継は単なるバトンの受け渡しではない。これは地域社会の命綱である。いま動かなければ、手遅れになる。

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[ 2025年4月14日 ]
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