アイコン 【年末総括】2025年 建設業/「仕事はあるのに倒れる」異常事態の正体

Posted:[ 2025年12月30日 ]

建設業倒産

2025年の建設業界は、過去10年で最多ペースの倒産という厳しい一年となった。倒産件数は上半期だけで約1,000件に達し、通年では2,000件超が視野に入った。数字以上に深刻なのは、その中身である。

今回の倒産ラッシュは、いわゆる不況型ではない。公共工事や民間工事の需要は一定程度維持される中で、「受注があっても資金が回らない」「人がいなくて事業を続けられない」という、従来とは質の異なる倒産が相次いだ。

倒産企業の9割以上は従業員10人未満の小規模事業者。特に内装工事、足場工事などの職別工事業で増加が目立った。背景には、2024年から続く資材価格の高騰、慢性的な人手不足、そして時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)が同時にのしかかった「三重苦」がある。

 



スポンサーリンク

資材高騰は、単なるコスト増では終わらなかった。見積時と施工時の価格差を吸収できない契約慣行が、下請け企業の利益を直撃した。価格転嫁が進まない中で、工事をこなすほど資金繰りが悪化する「黒字倒産」も現実のものとなった。

人手不足の影響も深刻だ。若年層の入職減と高齢職人の引退が続く中、残業規制によって一人当たりの稼働時間が制限され、工期は延び、コストは膨らんだ。採用できないため受注を断念する人手不足倒産は、統計上も過去最多水準となった。

さらに追い打ちをかけたのが、コロナ禍で利用された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済本格化である。売上回復が追いつかない企業では返済負担が重くのしかかり、資金繰りが限界を迎えた。

2025年は大型倒産も相次いだ。メガソーラー工事を主力としていた 中川企画建設 は、回収長期化や不適切会計が表面化し、会社更生法を申請。負債総額は約222億円に達し、今年最大の建設業倒産となった。また、都内中堅ゼネコンの 中央建設 も、資材高騰による採算悪化を背景に民事再生法の適用を申請している。

これらの事例が示すのは、企業規模や立地を問わず、従来型の経営モデルが通用しなくなったという現実だ。

年末を迎え、業界関係者の間では「2025年は転換点だった」との見方が広がる。DXによる工程・原価管理を進め、適正な価格交渉ができる企業が生き残る一方、長時間労働と低価格受注に依存してきた企業は淘汰されつつある。

2026年以降も、人手不足とコスト高の流れは変わらないとみられる。今後は、破産という形だけでなく、M&Aや事業譲渡、経営者の高齢化による「静かな廃業」が増えていく可能性が高い。

2025年は、建設業にとって「倒産が増えた年」ではなく、
「続けられる企業と、続けられない企業がはっきり分かれた年」として記憶されるだろう。


 

 

 


スポンサーリンク

HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

 




スポンサーリンク

スポンサーリンク