2026年8月の愛知県では、建設工事をはじめ、介護、運送、アパレル、太陽光発電、自動車関連など、幅広い業種で企業倒産が相次いでいる。
8月27日時点で公表資料や信用調査会社、各種報道などから確認できた案件のうち、負債額が判明している主要案件だけでも、負債総額は少なくとも約12億7400万円に上る。
2026年8月 愛知県の倒産まとめ 建設・介護・運送など相次ぐ2026年8月の愛知県では、建設工事をはじめ、介護、運送、アパレル、太陽光発電、自動車関連など、幅広い業種で企業倒産が相次いでいる。
8月27日時点で公表資料や信用調査会社、各種報道などから確認できた案件のうち、負債額が判明している主要案件だけでも、負債総額は少なくとも約12億7400万円に上る。
| 企業名 | 所在地 | 業種 | 負債額 |
|---|---|---|---|
| オールド・ワークスほか1社 | 名古屋市 | アパレル卸売 | 約6億6400万円 |
| エスイーライフほか1社 | 名古屋市 | 太陽光発電関連 | 約3億6000万円 |
| 中嶋建設 | 西尾市 | 建設・造成工事 | 約2億5000万円 |
| 判明分合計 | 約12億7400万円 | ||
※負債額が公表・報道などで確認できた主要案件を掲載。負債額が判明していない企業もあるため、愛知県内における8月の倒産負債総額を示すものではない。
確認された案件を見ると、特定の業種だけに集中しているというより、中小企業を中心としてさまざまな分野で経営破綻が表面化している。なかでも建設・工事関連の倒産が目につく。
名古屋市天白区の住宅リフォーム会社「ツーウィンリフォーム」は、8月17日に名古屋地裁から破産手続き開始決定を受けた。
春日井市を拠点にエクステリアや外構工事などを手がけていた「将園」、名古屋市南区の内装仕上工事会社「矢田組」、店舗や商業施設の内装工事を手がけていた名古屋市昭和区の「豊和」などでも破産手続きが進んでいる。
また、西尾市の「中嶋建設」は造成・埋立工事、外構・基礎工事などを手がけていたが、8月14日に名古屋地裁岡崎支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約2億5000万円。
建設市場では一定の工事需要がある一方、資材価格、人件費、外注費などの上昇が中小事業者の採算を圧迫している。全国でも建設業の倒産が高水準で推移しており、愛知県内でも関連企業の経営破綻が続いている。
県内で比較的規模が大きい案件となったのが、名古屋市中区のアパレル卸売会社「オールド・ワークス」と関係会社「オールドワークス・フロンティア」である。
両社は自己破産を申請し、負債はオールド・ワークスが約5億1400万円、オールドワークス・フロンティアが約1億5000万円で、2社合計約6億6400万円に上った。
オールド・ワークスはメンズ、レディースウェアやバッグなどを扱い、2024年3月期には約20億4800万円の売上高を計上していた。
しかし、競争激化や低収益が続き、債務超過状態から抜け出せないなか、取引先の経営破綻に伴う不良債権の発生なども重なり、資金繰りが悪化したとされる。
売上規模を維持している企業でも、採算悪化や資金繰りの変調によって経営が行き詰まることを示した案件となった。
太陽光発電システムの販売・設置を手がけていた名古屋市中川区の「エスイーライフ」と関係会社「SKCエナジー」も破産した。
負債はエスイーライフが約3億円、SKCエナジーが約6000万円で、2社合計約3億6000万円。
エスイーライフは2025年3月期に約10億7900万円の売上高を計上していたものの、低収益や累積損失、借入金返済負担などから資金繰りが悪化していた。
再生可能エネルギー市場は拡大しているものの、競争激化や施工コスト、資金負担なども大きく、売上拡大だけでは安定した収益につながらない企業もみられる。
地域住民の生活に密着したサービス業でも企業の退出が確認されている。
名古屋市北区の「名古屋北介護サービス」は8月12日に破産手続き開始決定を受けた。
また、一般貨物輸送を手がけていた「トランスタッフ」も破産手続き開始決定を受けている。
介護や運送は人材への依存度が高く、人手不足や賃金上昇が経営に直結しやすい。運送業では燃料費や車両費、保険料などの負担も重く、適正な価格転嫁を進められるかが重要な経営課題となっている。
そのほか、あま市の自動車整備会社「木村自動車」が破産手続き開始決定を受けたほか、犬山市の「星野タイヤ石油販売」でも経営破綻が表面化した。
さらに、ソフトウェア開発などを手がけていた名古屋市名東区の「合同会社アドバイザー」、エステサロンを運営していた名古屋市千種区の「美仁堂」など、ITや美容サービス分野でも破産が確認されている。
農産物販売や飲食関連などでも企業の経営破綻がみられ、8月の愛知県では特定の業種に偏らず、企業の退出が幅広い分野に及んでいる。
企業経営を取り巻く環境では、原材料費や仕入れ価格、人件費、物流費、光熱費などのコスト負担が高止まりしている。
帝国データバンクの調査では、2026年上半期の建設業倒産は全国で前年同期を上回り、倒産と休廃業・解散を合わせた企業の退出も高水準となった。
東海地区でも人手不足を要因とする倒産が増えており、建設業を中心に人材確保が企業経営の大きな課題になっている。
売上高を維持していても、仕入れや人件費などの上昇分を十分に販売価格へ転嫁できなければ利益は圧迫される。借入金返済や設備投資負担の大きい企業では、採算の悪化がそのまま資金繰り問題へつながるケースも少なくない。
2026年8月の愛知県では、建設、アパレル、太陽光、介護、運送、自動車、石油、美容、ITなど幅広い業種で企業倒産が確認されている。
全国的にも中小企業を中心とした倒産が高水準で推移するなか、愛知県でも人手不足、コスト上昇、価格競争、借入負担など、それぞれ異なる事情を抱えた企業の経営破綻が続いている。
8月も残り数日となったが、今後新たに破産開始決定や事業停止などが明らかになる可能性もあり、県内企業の動向が注目される。