半導体大手のルネサスエレクトロニクスは7月31日、群馬県高崎市の高崎工場について、今後2~3年をめどに生産を終了し、工場を閉鎖すると発表した。具体的な閉鎖時期は未定で、顧客への供給に支障が生じないよう、在庫の確保や他工場への生産移管を段階的に進める。
高崎工場では、主に直径150ミリメートルの6インチウエハーを用いたアナログ半導体やパワー半導体を生産している。しかし、操業開始から長期間が経過し、製造装置の老朽化が進んでいたほか、交換部品や保守サービス、材料の確保も難しくなっていた。
ルネサスは、旧式設備で生産を続けることは安定供給上のリスクが高いと判断。移管可能な製品については、保守体制が整った8インチ以上の生産ラインへ切り替える方針である。一部製品については、需要や採算性を踏まえて生産を終了する可能性もある。
一方、現在の工場内にある研究開発機能については廃止せず、現所在地や近隣地域を候補に維持・強化する。データセンターや自動車向けのアナログ半導体、パワー半導体などの開発を進めるとしている。
工場で働く従業員についても、雇用の維持と確保を基本方針とし、配置転換や社内外でのキャリア支援によって対応する。ただし、対象となる従業員数や配置転換先などの詳細は明らかにしていない。
高崎工場を巡っては、次世代の炭化ケイ素を使ったSiCパワー半導体の量産拠点とする計画もあったが、市場環境の変化などを受けて計画は見直されていた。
今回の閉鎖は、ルネサス全体の経営悪化によるものではなく、老朽化した生産設備を整理し、より大型のウエハーを使用する効率的な生産体制へ移行する再編の一環とみられる。
研究開発機能が高崎市内や周辺地域に残れば、雇用への影響は一定程度抑えられる一方、生産設備の保守や物流、資材供給などを担う協力企業には、取引縮小の影響が及ぶ可能性がある。今後は、製品の移管先や工場跡地の活用、地域に残る雇用規模が焦点となる。