アイコン 「ナナシー」の豊丸産業、パチンコ事業を停止 業界縮小で苦渋の決断


パチンコ遊技機メーカーの豊丸産業(愛知県名古屋市、永野光容社長)は7月28日、2026年7月31日をもってパチンコ事業を停止すると発表した。事業環境の悪化や経営状況を踏まえ、今後の事業継続について検討した結果、「苦渋の決断」に至ったとしている。

同社は1960年設立。資本金5000万円、従業員数は115人で、パチンコ遊技機の設計・開発、製造、販売を主力としてきた。「ナナシー」や「CR餃子の王将」など、独自性の高い遊技機を市場に投入し、根強いファンを獲得していた。

今回の決定に伴い、東京都台東区の東日本営業所と大阪市浪速区の西日本営業所を8月31日付で閉鎖する。営業所閉鎖後は名古屋本社に問い合わせ・サポート窓口を設け、取引先への対応を行う予定としている。

現在、全国のパチンコホールに設置されている豊丸産業製の遊技機については、事業停止後も直ちに使用できなくなるわけではない。各機種の検定期間内であれば、ホールの判断によって設置と稼働を継続できる。

 

スポンサーリンク
 
 

一方、交換部品の供給や書類発行などの保守対応については、終了時期を取引先に個別に通知する。今後は部品の確保や故障時の対応が難しくなる可能性があり、豊丸産業製の遊技機を設置するホールには保守期限の確認が求められる。

公式ホームページや公式YouTubeチャンネル、公式Xについては、当面閉鎖しない方針。更新頻度は低下するものの、案内すべき事項が生じた場合には可能な範囲で情報発信を続けるとしている。

 

福祉機器事業も新規受注を一時停止

豊丸産業はパチンコ事業のほか、高齢者施設向け娯楽機器を扱う福祉機器事業と、不動産の仲介・管理・賃貸事業を展開している。

福祉機器を販売する未来事業については、事業拡充に向けて運営体制を見直す。新たな体制が決まるまで、「トレパチ」「トレパチテーブル」「TANO」などの新規注文と新規導入を一時停止するが、すでに導入されている製品の保守や問い合わせ対応は継続する。

現時点では、豊丸産業の解散や全事業の廃止、破産などの法的整理は発表されていない。今回の発表は、あくまでパチンコ事業の停止であり、「豊丸産業が倒産した」とする表現は正確ではない。

 

パチンコからパチスロへ移るホール投資

事業停止の背景には、パチンコホールとパチンコ遊技機市場の縮小がある。

全日本遊技事業協同組合連合会の調査によると、2025年12月末時点の加盟営業店舗数は5793店舗となり、1年間で229店舗減少した。2010年6月末の1万1586店舗と比較すると、ほぼ半数の水準まで縮小している。

設置台数を見ると、2025年12月末のパチンコ遊技機は173万1595台で、前月から1802台減少した。一方、パチスロ機は125万8796台となり、前月から4419台増加した。ホールの設備投資がパチンコからパチスロへ移る傾向が数字にも表れている。

矢野経済研究所によると、2024年度のパチンコ関連機器市場は前年度比2.4%減の8612億7300万円だった。新台1機種当たりの販売台数も小ロット化しており、開発費や部品調達費を販売収入で回収することが難しくなっている。

ホール側も限られた新台予算を、集客力の高い人気シリーズや大手メーカーの機種へ集中させる傾向がある。独創的な機種を強みとしてきた中堅メーカーにとっては、企画、開発、製造、営業、保守の体制を維持する負担が一段と重くなっていた。

豊丸産業は事業停止の詳細な理由や直近の売上高、損益、資金繰りについて公表していない。このため、特定機種の販売不振や債務超過などを原因と断定することはできない。

ただ、長年にわたり独自路線を歩んできた老舗メーカーの撤退は、パチンコ市場の縮小だけでなく、中堅メーカーが生き残る余地が狭まっている現状を象徴する出来事といえそうだ。

パチンコニュース

[ 2026年7月28日 ]
スポンサーリンク
  

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧