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アイコン 沖縄の民泊、1年間で65件廃業 新規261件の一方で撤退も、観光客は過去最多

Posted:[ 2026年9月17日 ]

観光需要が拡大する沖縄で、民泊への新規参入が増える一方、事業から撤退する動きも続いている。

観光庁の「住宅宿泊事業法に基づく届出の状況」をもとに、沖縄県と那覇市の数字を合算すると、2025年7月15日から2026年7月15日までの1年間に、住宅宿泊事業の累計届出件数は2,157件から2,418件へ261件増加した。

一方、累計の事業廃止件数も730件から795件となり、同じ1年間に65件が事業を廃止したことが分かった。

単純な差し引きでは196件の増加となる。沖縄の民泊市場そのものは拡大しているものの、新規参入だけでなく一定数の退出も続いており、観光需要の回復だけでは見えにくい民泊市場の新陳代謝が進んでいる。

 



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沖縄の民泊、新規261件に対して65件が廃止

時点 届出件数(累計) 事業廃止件数(累計)
2025年7月15日 2,157件 730件
2026年7月15日 2,418件 795件
1年間の増加 +261件 +65件

ここで注意したいのは、「65件廃業」という数字だけを取り上げて、沖縄の民泊市場が縮小していると判断することはできない点だ。

同期間には新たな届出が261件増えており、廃止件数を大きく上回っている。届出と廃止の累計値の差でみれば、沖縄県と那覇市を合わせた住宅宿泊事業は、この1年間で196件増えた計算になる。

なお、65件を261件で割ると約24.9%となるが、これは「沖縄の民泊事業者の24.9%が1年間で廃業した」という意味ではない。新たに届出が増えた261件と廃止した65件が同じ事業者集団ではないため、一般的な意味での「廃業率」とは区別して見る必要がある。

沖縄の観光客は過去最多の1093万人

民泊の退出が続いている一方、沖縄観光そのものは好調だ。

沖縄県によると、2025年度の入域観光客数は1,093万5,800人で、前年度から98万3,100人、9.9%増加した。これまで最多だった2018年度を9.3%上回り、年度として過去最高を更新した。

国内観光客が過去最高となったほか、外国人観光客も国際航空路線の再開や新規就航、クルーズ船の寄港回復などを背景に、コロナ禍前の水準までおおむね回復している。

つまり今回の65件の事業廃止は、「沖縄を訪れる観光客が減ったため民泊が減少している」という単純な構図ではない。観光需要が高水準にあるなかでも、民泊事業では新規参入と撤退が同時に発生している。

全国でも民泊は拡大 届出住宅は4万2070件

沖縄だけの動きでもない。観光庁によると、2026年7月15日時点で住宅宿泊事業法に基づく全国の累計届出件数は6万5,837件。このうち累計の事業廃止件数は2万3,767件で、実際の届出住宅数は4万2,070件となっている。

2026年5月時点からだけでも届出住宅数は1,325件増加しており、観光庁は住宅宿泊事業の届出について、法施行後も「着実に増加」しているとしている。

一方、累計では2万件を超える事業廃止も発生している。民泊は全国的に新規参入が続く市場であると同時に、事業者の入れ替わりも多い業態であることが数字から読み取れる。

那覇市では地域によって営業日数を制限

民泊は一般的なホテル・旅館とは異なり、住宅宿泊事業法に基づく場合、年間の営業日数は原則180日以内となる。さらに自治体は、生活環境への悪影響を防ぐ必要がある場合、条例によって区域や期間を定めて営業を制限できる。

那覇市でも「那覇市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」を設けている。住居専用地域などでは、住宅の形態や管理方法、区域によって営業可能日が制限され、年間約110日しか営業できないケースもある。

また、那覇市で住宅宿泊事業を始める場合、市保健所で事業実施前の事前相談が必要。国が定める書類に加え、市独自の事前周知記録書なども求められている。

こうした規制が個々の事業廃止にどの程度影響したかは公表資料からは確認できず、65件の廃止理由を規制や採算悪化だけに求めることはできない。ただ、観光需要が強い地域であっても、民泊事業者には宿泊需要とは別に、営業日数、物件管理、近隣対応など特有の事業条件がある。

観光好調でも「参入すれば儲かる」とは限らない

沖縄では観光客が過去最多となり、民泊の届出も増えている。数字だけを見れば、市場には依然として新規参入余地があると考える事業者が多いことがうかがえる。

その一方で、わずか1年間に65件が事業を廃止した。新規届出261件に対して約4件に1件に相当する規模の退出が別途発生したことになる。

ただし、行政資料では個別の廃止理由までは明らかにされていない。収益悪化、物件事情、事業者側の都合など、それぞれの事情を一括して判断することはできない。

観光客数の増加と民泊事業者の収益性は必ずしも同じではない。観光需要が過去最高水準にある沖縄で、新規参入と事業廃止が同時に進んでいることは、成長する観光市場の裏側で宿泊事業者の選別も続いていることを示す一つの材料となりそうだ。

 

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