【山口】ふぐの老舗「日高本店」が廃業へ 創業75年、後継者不在で9月末に営業終了
山口県下関市でふぐ加工品などを製造・販売する株式会社日高食品が、2026年9月末をもって製造・営業を終了し、廃業することが分かった。同社は「ふぐの老舗 日高本店」として、ふぐ刺しやふぐちり、ふぐ加工品などを全国に販売してきた。
1951年創業で、今年で75年。最盛期には売上高13億円を超えたが、近年は贈答市場の縮小などで売上高がピーク時の半分程度まで減少していた。数年前から事業承継を模索したものの後継者が見つからず、長年続いた事業に幕を下ろす。
なお、今回の日高食品の廃業は、破産などの法的整理による倒産ではない。
1951年創業、下関のふぐ加工を支えた老舗
日高食品は1951年、下関市汐入町で塩干魚の製造を始めたのが創業。翌1952年に有限会社日高食品を設立し、1959年に株式会社へ改組した。
その後、ふぐを中心とした水産加工品の製造・販売を拡大。1996年には下関市武久町に本社・工場を移転し、加工・配送体制を整備してきた。
「日高本店」の名称で、ふぐ刺し、ふぐちり鍋をはじめ、ふぐを使用した加工品や惣菜、珍味、冷凍調理食品などを展開。全国の百貨店や土産品店、空港・駅、高速道路のサービスエリアなどにも販路を広げ、下関のふぐを扱う水産加工会社として事業を続けてきた。
最盛期の売上高は13億円超、贈答市場縮小で減少
事業が最盛期を迎えた約20年前には、年間売上高が13億円を超える規模に成長していた。
一方、近年は贈答品市場の縮小など事業環境が変化し、売上高は最盛期の半分程度まで減少。原材料価格の上昇なども事業環境を厳しくする要因となっていた。
ただし、今回の廃業については、資金繰りの行き詰まりによる経営破綻ではなく、後継者不在と事業承継が実現しなかったことが大きな理由となっている。
後継者不在、社員や外部企業への事業承継も実現せず
日高道一社長は数年前から本格的に事業の引き継ぎを検討していたが、家族に後継者がおらず、社員への承継や他企業への事業承継も模索したものの実現しなかった。
日高社長は、取引先などへの影響をできるだけ抑えられる段階で事業を終えることを選択し、廃業を決断した。
約50人の従業員については9月末で解雇する予定で、会社側は再就職の仲介に可能な限り取り組む方針。本社などの土地・建物についても売却する方向で検討している。
大丸下関店・門司港レトロ店も閉店
会社全体の廃業に先立ち、直営店の整理も進められた。
北九州市の門司港レトロ地区にあった「日高本店 門司港レトロ店」は8月26日に営業を終了。大丸下関店の日高本店も8月31日に閉店した。
本社に近い第二工場直売店も9月中に閉店する予定で、公式オンラインショップなどの通販事業についても9月末で終了する。
店舗だけの撤退ではなく、製造・販売を含む日高食品の事業そのものが終了することになり、創業から75年にわたる歴史に幕を下ろす。
株式会社日高食品(日高本店)の会社概要
| 法人名 | 株式会社日高食品 |
|---|---|
| 法人番号 | 9250001006211 |
| 所在地 | 山口県下関市武久町2丁目8番5号 |
| 代表 | 日高道一氏 |
| 創業 | 1951年(昭和26年) |
| 資本金 | 1000万円 |
| ブランド・サービス名 | ふぐの老舗「日高本店」 |
| 主要事業 | ふぐを中心とする水産加工品・惣菜・冷凍調理食品などの製造、販売 |
| 最盛期売上高 | 13億円超 |
| 従業員 | 約50人 |
| 営業終了 | 2026年9月末予定 |
| 廃業理由 | 後継者不在、事業承継が実現しなかったため |
※廃業と倒産について:今回確認されているのは、株式会社日高食品が製造・営業を終了して自主廃業するというもので、破産などの法的整理による倒産ではない。「日高本店」は同社が展開してきたブランド・サービス名。





