9月16日に米金利は0.25ポイント上昇し4.0%に、17日には日本の日銀も0.25%上昇させ1.25%とした。
先立つ7月末から超円安の進行に日米が協調して介入し、157.16円まで円高調整。その後も市場と介入当局の鬩ぎ合いから、9月1日の160.17円から、9月9日には153.54円まで再度円高に、16日の米金利上昇により156.27円に、17日は日本の金利が上昇して155.96円、しかし、18日には156.82円まで円安にシフトしている。
10年債国債の利回り=長期金利や政策金利の日米金利差が縮小すれば円高にシフトするが、今ではそのセオリーは通用しなくなっている。
日本では長期金利の上昇と円安が、株高を同時進行させている。金利上昇は経済成長にマイナスだが、デフレ経済からの改善が進み、金利上昇は逆に円安要因になっていない。
原因としては、
1、 新NISAの拡大が外国株の買い付けに走り、ドル買い円売りとなり、円安に作用して
いる点。新規買付が23年5.2兆円(外国証券運用1.7兆円)、24年17.4兆円(外国証券運用8.9兆円)、25年18.8兆円(外国証券運用9.2兆円)と拡大し続け、半分以上が外国証券債券投資に回されている。26年も外国証券運用は12.7兆円の見込みと拡大している。
外国証券の買い増しが続いており、円安の原因の大きな一要因になっている。
2、 2023年4月からのバフェット効果により、海外のハゲタカ投資機関が日本に集結、
日経平均は2万台だったものが、今年6月22日には72,366円まで上昇、しかし、その後、データセンターブームの終焉、イラン戦争の商船交渉入れ、交渉が破綻して戦闘再開、7月29日には61000円台まで調整され、現在65000円台となっている。
海外投資家の日本株所有額は2018年末の173兆円から25年末には398兆円まで増加、しかし、この間のネット増加分は3.4兆円に過ぎず、バフェット効果による株高が保有残高を大幅に増加させている。2023年末は321兆円。
海外投資家は残高に応じ為替ヘッジしており、ヘッジこそが円売りドル買いとなっている。
3、 サナエノミクスによる「責任ある積極財政」に基づく政策面も、政府負債残が先進国で一番大きく(GDP比で)、財政規律=PBでさえ10年以上先延ばし続け、実質虫が続き、2040年(15年間)までに340兆円官民投資、政府負債の急増が懸念され、目先、食料消費税の減税(8%から1%に2年間)の財源問題も抱えている。
2040年までの15年間での累計370兆円官民投資、2040年のGDPを1100億円と明記しているが、政府負債残、政府負債に対するGDP比については数値目標値としては明らかにしてない。370兆円は15年平均で24.6兆円。うち官の投資分は3割として、年7.4兆円の必要となる。常に財源問題が付きまとう。
4、 来年度予算は現在概算集計高、概算要求額は143兆円と過去最大となっている。2
6年度の概算要求額は122兆円であり、20.6兆円増加している。
政府負債残の国際評価は、GDP比で評価されており、日本は実質財政規律もなく先
進国でワースト1となっている。
市場はこうした政府負債残は、経済市場が異常になったときにはさらに政府負債残を増加させるしか対応力はなく、サナエノミクスの政策は財政面の悪化が予想され、まだ信認を得ていない。
5、 インフレも実質は高い、エネルギーや教育など政府が助成して価格を大きく引き下げている。140円以上の超円安時代が続き、現行の超円安は異常ではなくなっているが、超円安による物価高、インフレは食料品など生活関連で大きく上昇させている。
日本の8月の物価上昇率は2025年基準では1.7%だが、2020年を基準にした場合は2.0%上昇と大きく異なる。
食料自給率は37%、63%は輸入に依存、8月の物価上昇率=インフレ率は1年で一巡することから、見え辛くなっているが、食料品は2020年基準では物価指数は130.1ポイントと2020年より30%上昇し、 物価上昇率は3.2%、2025年基準では3.1%だった。
6、 そのほか、米国は今回の金利上昇は、トランプが金利低下派のウォーシュ氏をFRB議長に任命したが、7月上旬のトランプによるイラン戦争再開・紅海への拡大により原油価格の高騰に起因した物価上昇となっている。
戦争終結する見込みはなく、優柔不断なトランプに一任されており、何も見えてこないことにある。
それでもトランプは金利を下げろと言い続け、政治的にデリケートな中間選挙を直前にしてもウォーシュ議長は金利を引き上げた。理事17人中、12人が年内にもう1回の金利引き上げを予想している。
一方、日銀は年内の上昇は特別なことがない限り予想していないとしており、為替市場関係者の心理的により、円売りドル買いに入ったものともみられる。金利を引き上げても、金利を引き上げたことで、日米ともに長期金利は上昇している。
米国の10年国債の利回り金=長期金利は、政策金利が5.5%(23/7~24/8)であっても最高は23/10月の4.74%だった。ただし、9月18日は5.00%と近年の最高となっている。
日本は2022年3月の露制裁時から資源や穀物への輸入依存度が高く、安全資産の「円」の信用が剥離、政策金利がマイナス金利の大金融緩和策もあり、円が超円安に振れた。現在は政策金利が1.25%、10年債の国債利回りは2.985%と大きく乖離している。乖離要因の多くは超円安の進行、継続した原油高、連れてインフレ予想値との関係にある。
スクロール→
専制君主トランプの独り相撲に世界が踊らされている。
|
|
対ドル円
|
日本
|
米国
|
10国債
|
WTI
|
|
|
|
円
|
10国債
|
政金利
|
10国債
|
金利差
|
ドル
|
|
|
21/12.
|
115.12
|
0.061
|
-0.10
|
1.506
|
1.445
|
76.02
|
|
|
22/6.
|
136.20
|
0.225
|
-0.10
|
3.164
|
2.939
|
107.77
|
|
|
22/12.
|
132.14
|
0.251
|
-0.10
|
3.509
|
3.258
|
75.21
|
|
|
23/3.
|
133.13
|
0.319
|
-0.10
|
3.525
|
3.206
|
73.38
|
|
|
23/6.
|
144.85
|
0.376
|
-0.10
|
3.727
|
3.351
|
71.21
|
|
|
23/9.
|
148.77
|
0.708
|
-0.10
|
4.579
|
3.871
|
91.23
|
|
|
23/12.
|
141.40
|
0.611
|
-0.10
|
3.847
|
3.236
|
73.38
|
|
|
24/3.
|
151.34
|
0.736
|
0.10
|
4.279
|
3.543
|
81.91
|
|
|
24/6.
|
160.93
|
0.978
|
0.10
|
4.251
|
3.273
|
81.27
|
|
|
24/9.
|
142.38
|
0.826
|
0.25
|
3.683
|
2.857
|
64.35
|
|
|
24/12.
|
157.89
|
1.102
|
0.25
|
4.753
|
3.651
|
69.71
|
|
|
25/3.
|
149.14
|
1.503
|
0.50
|
4.246
|
2.743
|
66.89
|
|
|
25/6.
|
144.13
|
1.429
|
0.50
|
4.230
|
2.801
|
65.71
|
|
|
25/9.
|
148.07
|
1.648
|
0.50
|
4.148
|
2.500
|
68.17
|
|
|
25/12.
|
155.98
|
2.079
|
0.75
|
4.163
|
2.084
|
71.72
|
|
|
26/3.
|
159.63
|
2.359
|
0.75
|
4.311
|
1.952
|
101.38
|
|
|
26/6.
|
162.26
|
2.636
|
1.00
|
4.418
|
1.782
|
69.50
|
|
|
26/7.
|
160.21
|
2.796
|
1.00
|
4.745
|
1.949
|
84.67
|
|
|
26/8..
|
159.57
|
2.941
|
1.00
|
4.758
|
1.817
|
85.76
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
7/28.
|
163.82
|
2.781
|
1.00
|
4.604
|
1.823
|
79.26
|
|
|
7/31.
|
157.57
|
2.796
|
1.00
|
4.745
|
1.949
|
84.67
|
|
|
8/14.
|
159.30
|
2.878
|
1.00
|
4.696
|
1.818
|
82.40
|
|
|
8/20.
|
159.05
|
2.850
|
1.00
|
4.696
|
1.846
|
87.83
|
|
|
8/25.
|
159.26
|
2.893
|
1.00
|
4.639
|
1.746
|
82.36
|
|
|
8/31.
|
159.73
|
2.941
|
1.00
|
4.758
|
1.817
|
85.76
|
|
|
9/2.
|
158.70
|
3.017
|
1.00
|
4.796
|
1.779
|
91.01
|
|
|
9/4.
|
156.24
|
2.908
|
1.00
|
4.784
|
1.876
|
91.48
|
|
|
9/10.
|
154.42
|
2.981
|
1.00
|
4.944
|
1.964
|
103.26
|
|
|
9/11.
|
154.12
|
2.986
|
1.00
|
4.975
|
1.989
|
101.19
|
|
|
9/14.
|
154.35
|
2.985
|
1.00
|
4.961
|
1.976
|
101.39
|
|
|
9/16.
|
156.27
|
2.998
|
1.00
|
5.006
|
2.008
|
102.43
|
|
|
9/18.
|
156.68
|
3.019
|
1.25
|
5.004
|
1.985
|
100.55
|
|
|
・現在、日銀の金利決定会合での金利上昇を取り込み円高ヘシフト
|
|
|
7月31日からの超円安に対する日米協調介入からのヴェセント財務長官の「日本の適切な金利」発言が植田氏を後押して、9月17日金利引き上げ、ただ、高市氏が今年任命した理事2人は反対。
|
|
|
|
スクロール→
|
日本の米国債保有残高と対ドル円
|
|
|
対ドル円
|
百億ドル
|
前月比
/百億ドル
|
備考
|
|
25/9.
|
148.07
|
118.9
|
1.0
|
|
|
25/10.
|
154.31
|
120.0
|
1.1
|
|
|
25/11.
|
156.32
|
120.2
|
0.2
|
|
|
25/12.
|
155.98
|
118.5
|
-1.7
|
介入
|
|
26/1.
|
153.80
|
122.5
|
4.0
|
|
|
26/2.
|
156.09
|
123.9
|
1.4
|
|
|
26/3.
|
159.63
|
119.1
|
-4.8
|
|
|
26/4.
|
160.14
|
120.9
|
1.8
|
|
|
26/5.
|
159.27
|
114.3
|
-6.6
|
ゴールデンウク暴落対策のドル売り円買い
|
|
26/6.
|
162.26
|
111.6
|
-2.7
|
|
|
26/7.
|
160.21
|
110.3
|
-1.3
|
月末から介入
|
|
26/8.
|
159.57
|
|
|
|