アイコン 原油高騰長期化へ フーシ派と政府軍交戦も政府軍あんたの負け


フーシ派は紅海最南端のマンデブ海峡を封鎖するため、支配地域から南下し、港湾都市モカ(人口2万人弱/反フーシ派の国民抵抗軍の支配地)を制圧、さらに南下し続け、マンデブ海峡の要所のぺリム島を完全支配下に置いた。

ただ、ぺリム島に最も近いシェイフ・サイード半島一帯(半島突端の地名がシェイフ・サイード)は、まだフーシ派が完全制圧には至らず、サウジと米軍が共同すれば、ペリム島対岸のシェイフ・サイード半島一帯を完全制圧することは可能とみられていた。

しかし、9月11日までに南イエメンの政府軍は、管理下に置いていたシェイフ・サイード半島一帯の北東の山間部に陣取り.フーシ派の南下を食い止めようとしたものの、2日間で守備隊は崩壊し軍は後退した。フーシ派は紅海南部の封鎖を、マンデブ海峡封鎖も含め、現実化させた。

南イエメンの政府軍は、これまで紅海南部の港湾都市モカ(南イエメン政府のサーレハ副大統領の出身地/モカ珈琲/アフリカ産などの珈琲の集積地でモカブレンドがモカ珈琲)なども管轄下においていたが、今回のフーシ派の南下で11日まで制圧され、政府軍の海域での管轄地は、紅海側はなくしてしまい、アデン湾=インド洋側だけになった。

今回の戦闘で、政府軍はフーシ派に負けたが、2014年からイエメンと長い国境を接するサウジが政府軍を支援して再興させてきただけに、簡単に敗退するとは予想されていなかった。

 

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しかし、サウジも2014年から2022年まで戦争状態にあり、今回の米国のイラン攻撃に呼応したフーシ派の攻撃にも晒され、サウジに余裕はなくなり、戦争も空爆以外戦争には慣れておらず、混乱しているものとみられる。

サウジアラビアには海軍はあるが、フーシ派より海上戦闘能力は優れているものの、海も陸も戦い慣れしたゲリラ戦法のフーシ派を根絶することは簡単ではない。

内戦から政治拠点をサウジに移した南イエメン政府、政府軍はフーシ派に対峙する最大の勢力だが、政治家は実質逃亡生活、政府軍の指揮も低下し続けているものとみられる。

イエメン、人口第2の港湾都市アデン(政府の首都)でも、保守と反保守の攻防が続いており、直近でもサウジが支援する保守派が反保守勢力を重要地から追い出したとされる。(南)イエメン政府(西側社会が認める正規の政権)そのものがサウジに政治の拠点を移すほど、支配地域は不安定な状況下に置かれている。

イラク民兵組織をサウジが米軍とともに奇襲攻撃
フーシ派がサウジに対し2022年の停戦以来、戦闘を再開させたのは、
① 米軍のイラン攻撃が続き、米軍の代理としてサウジを攻撃しているものとみられる。
② 7月29日、親イラン派のイラクの民兵組織(イラク政府と直接関係あり)を、トランプに乗せられたサウジの独裁者ムハンマド皇太子が、戦争ゲームだったのか、米軍とともに同民兵を奇襲攻撃、イラン革命防衛隊の軍事顧問も含め幹部含む数10人が爆殺されたことに大きく関係しているものとみられる。

サウジの独裁者ムハンマド皇太子は7月11日に、トランプ氏にルビオ国務長官も同席しての電話会談を行っていた。
サウジが米国のイラン攻撃に参加するのは、サウジ領土を攻撃されており、報復の意味もあり、理解できようが、イラクの民兵組織を奇襲攻撃して大打撃を与えており、トランプの戦争ゲームに乗ったとしか考えられない。
イラク民兵を攻撃して冷めやらぬ8月2日(日曜日)、皇太子は再びトランプと電話会談して、中東の緊張緩和のための交渉・会談を優先すべきだと進言したという。言ってることとやってることが相反している。緊張を拡大させた張本人のムハンマドが進言する言葉ではないだろう・・・。

サウジは孤軍奮闘の戦い
2022年の停戦まではサウジはアラブ連合軍を結成し、連合軍として空爆や国境警備にあたり、フーシ派の領地へ圧倒的火力で上陸作戦を敢行したりしていたが、抵抗にあい長期占領は不可能であり、攻撃後、撤退していた。
攻撃には間接的に米軍が有人・無人の偵察機や軍事衛星情報をサウジ側に提供することで茶を濁していた。

9月に入り、フーシー派のサウジに対する報復合戦も過激化、フーシ派は支配地域から紅海沿岸を南下してマンデブ海峡の封鎖へ動いた。
これに対して、ムハンマド皇太子はトランプに対して2度に渡り、攻撃支援を求めたものの、2度とも拒否され、2022年のフーシ派との停戦まであったアラブ同盟軍もイラン戦争で実質空中分解、サウジが支援しなければいつでも崩壊する(南)イエメン政府軍(地域や部族を代表しており利害関係はバラバラの混成政府)との間で、何十年もの内戦に明け暮れてきた北イエメン政府軍(ソ連支援)から変わった武装宗派組織に変わったフーシ派、サウジアラビアは原油施設が命だけに、東西1200キロのパイプラインなどの防衛は限られ、各地の製油所も含めリスクだらけ、PAC3がいくらあっても足りない状況が続いている。

(PAC3は米国本土守護用分しか在庫は残っておらず、すでにウクライナ戦争やガザ戦争で世界の米軍基地や同盟国への販売分も借用してイスラエルや中東湾岸諸国へ供与し続け、結果、枯渇している)(PAC3がすでに枯渇したウクライナに対し、トランプはPAC3の設計図面を渡し、ウクライナで生産させる方法を採用しようとしたが、戦時下でも汚職の宝庫ウクライナに対する図面供与はリスクがあり過ぎるとして撤回、ウクライナは防御システムが崩壊し、超音速ミサイルに対して脆弱となり、ロシアからの極超音速ミサイル攻撃やジェットドローン攻撃に対して首都キーウでも迎撃率が大幅に落ちている。)

そうした中でDVのヘグセス国防長官は攻撃ミサイルも迎撃もミサイルも在庫をトランプに報告せず、イラン戦争に突入、トマホークだけでも2月28日以降、1200発あまりをイランに撃ち込み、それまで、中東での使用もあり、在庫が枯渇、日本も購入配備したPAC3も、トマホークも米軍の要請により米軍に貸し出している。トマホークは、イラン戦争前の在庫水準にするには2030年以降になるという。7月下旬のイランに対する大規模攻撃の中止は、米軍制服組トップのケイン総合参謀議長が、大規模攻撃のホワイトハウスの作戦会議で、大規模攻撃につき、ミサイルの在庫不足から反対したことで中止された。ケイン議長はこれ以上使用した場合、本土防衛用の迎撃用も攻撃用もミサイルが不足するとして反対したものだった。

戦争に明け暮れるイエメン、
イエメンは1962年の王政崩壊で内戦突入、北イエメンを支援していたソ連崩壊もあり1990年にアデン合意で南北イエメンが統一、2014年から政府軍、フーシ派、アルカイダの3勢力による内戦突入、フーシ派(シーア派系)をイランが支援、政府軍をサウジが支援した。


イエメン全体は、宗教、部族、首長により支配地域が異なり、政府はフーシ派に対抗組織であるものの、利害は一致せず、政府軍にしろ、フーシ派にしろ、国家として緩やかな統一は可能なものの、全体統治の政権の誕生はほとんど不可能。それほどそれぞれの部族や首長が内戦に慣れている。

2022年の停戦迄はアラブ連合軍でフーシ派と戦争状態へ
アラブ連合軍も加盟国間で関係が悪化、サウジとUAEはカタールと絶縁状態に至った。そのカタールもアラブ連合軍へ軍隊を派遣し、イエメン攻撃に参戦していた。
アラブ連盟はイスラム教スンニ派でまとまっているようだが、実態は部族の首長が統治しており、サウジにしても一部族が産油から実権を拡大させ統治するに至っている。UAEは5つの部族主張が統治する国の連合国家でもある。

それでも米リスク管理会社バシャ・レポートのモハンマド・アル・バシャ氏は、アルジャジィーラの取材に対し、イエメン政府やサウジアラビアが簡単には動けないと見通しを語った。同様の指摘は多く、主に3つの理由があげられる。
①集中的な空爆などでぺリム島のフーシを殲滅できても、それはサウジアラビア本土へのさらなる報復を招きかねない。フーシ派は2010年代末からドローンを駆使してきた「実績」がある。

②紅海域およびイエメンへのサウジアラビアの本格的軍事活動は、その報復攻撃により、原油価格をさらに高騰・長期化させ得る。

③フーシ派との全面衝突は、その背後のイランとの対立を決定的にするため、これまでイランつなぎ止めを優先してきたサウジアの外交方針をトランプにより崩れ去られた。
(中国が湾岸諸国とイランの敵国関係を解消させていた)

トランプ次第となったホルムズ海峡の封鎖、フーシ派のサウジのタンカーや製油所、パイプラインへの攻撃、それに対するサウジの報復攻撃も激しさを増しており、「紅海南部マンデブ海峡封鎖」も長期化する公算が大きくなったといえる。

 ただ、政府軍も抵抗し続けている。紅海側の南部戦線は、モカなどをフーシ派が制圧したものの、政府軍支配地域のモカの東方域の政府軍陣営から、また政府軍の空軍が、モカ周辺のフーシ派拠点を攻撃しているという。
政府軍系の軍部隊は、
イエメン国防省が統制する正規軍
大統領指導評議会(PLC)傘下の「祖国の盾部隊」
サーレハ副大統領の「国民抵抗軍」
など8部隊で構成され、指揮系統はバラバラで統率されていない大きな弱点がある。
こうした指揮系統がバラバラな軍隊に対してサウジは支援し続けている。
以上、


サヌアの人口は350万人、フーシー派の拠点
アデンは110万人、政府および国防軍の拠点、
タイズは50万人で大統領の指導評議会(PLC)傘下の「祖国の盾部隊」系
モカは2万人弱で、副大統領の国民抵抗軍の拠点
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[ 2026年9月18日 ]

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