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アイコン 【滋賀】VTSタッチセンサーが破産 負債約17億円、TOPPANの銅メッシュセンサー技術を継承

Posted:[ 2026年9月16日 ]

銅メッシュタッチセンサーの開発・製造を手がける(株)VTSタッチセンサー(滋賀県東近江市妙法寺町1101番地20、法人番号:5160001020828)が、2026年9月7日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約17億円。

同社は、TOPPANが展開していた銅メッシュセンサー事業の技術・設備・人員を継承して2018年に発足した電子部品メーカー。独VIA OptronicsとTOPPANを株主とし、パソコンや産業機器向けに加え、近年は車載タッチセンサー分野への展開を進めていた。

破産管財人には佐長功弁護士が選任されている。債権届出期間は2026年10月13日まで。財産状況報告集会などの期日は2027年1月25日午後2時。事件番号は令和8年(フ)第6667号。



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TOPPANの銅メッシュセンサー事業を継承

VTSタッチセンサーは2018年4月設立。公式サイトによると、株主構成はVIA Optronicsが65%、TOPPANが35%。TOPPANが2013年から手がけていた銅メッシュセンサー事業の技術、設備、人員を引き継いだ。

透明フィルム上に金属銅の微細なパターンを形成するフォトエッチング技術をコア技術とし、銅薄膜を用いた高精細の銅メッシュセンサーを開発。ロール・ツー・ロール方式による製造から品質保証まで手がけていた。

銅メッシュセンサーは低抵抗で大型化しやすく、狭額縁、ペン入力、曲面・3D形状などへの対応が可能とされる。同社製品はパソコンや産業機器の静電容量式タッチパネルなどに採用されていた。

PC向けから車載タッチセンサーへ事業領域を拡大

同社の技術の源流はVTSタッチセンサー設立前までさかのぼる。公式沿革では、2012年に電子黒板向け銅センサーフィルムを納入し、2013年に銅タッチパネルモジュール事業を開始。2015年にはノートパソコンやタブレット端末への採用が始まり、大手PCメーカー向けビジネスを開始したとしている。

その後は用途を広げ、2020年にATM・POS機向け、2022年には大手欧州自動車メーカーおよび大手米国自動車メーカー向けのビジネスを開始。具体的な自動車メーカー名は公表されていない。

2023年には車載用の高信頼性材料を投入し、2024年6月には自動車産業向け品質マネジメント規格「IATF 16949」を取得。認証機関のDQSも同年7月、VTSタッチセンサーへの認証登録証授与を公表していた。

センサー事業は2022年に売上減、コロナ後の需要減が影響

一方、65%を出資するVIA Optronicsの開示資料からは、VTSタッチセンサーを取り巻く事業環境が以前から変化していたこともうかがえる。

VIA OptronicsはVTSのみで構成される「Sensor Technologies」部門について、2022年の売上高が約2460万ユーロとなり、2021年の約3000万ユーロから18.2%減少したと開示。同部門の営業損益も2021年の約150万ユーロの黒字から、2022年には約80万ユーロの赤字となった。

同社は当時、センサー部門の売上減について、コロナ禍後のコンシューマー機器需要の低下が主な要因だったと説明しており、生産設備の稼働率低下も利益率を圧迫していた。

ただし、これらは2022年時点の業績であり、今回の破産に直接つながった原因と確認されたものではない。

2026年に入っても技術職を募集

破産決定の数カ月前まで採用活動も確認されている。

ハローワークの2026年1月16日受付の求人票では、タッチセンサー製造職を「増員」として募集し、会社全体の従業員数を22人としていた。また、2月2日受付の求人では、材料・プロセス開発、工程改善、新規設備導入などを担当する正社員の技術職を募集している。

一方、VTSタッチセンサーの公式サイトでは従業員数を118人(2024年1月時点)と掲載している。公表時点や集計対象が異なる可能性があるため単純比較はできないものの、2026年の求人情報では22人とされており、事業規模の変化をみる上で注目される。

さらに、VTSタッチセンサーを出願人とするタッチパネル関連の特許公開公報も2026年7月2日に公開されている。この特許は2024年12月に出願されたもので、破産直前の新規出願を意味するものではないが、同社が研究開発型メーカーとして技術資産を蓄積していたことを示す材料となっている。

VTSタッチセンサーの会社概要

法人名 株式会社VTSタッチセンサー
法人番号 5160001020828
所在地 滋賀県東近江市妙法寺町1101番地20
設立 2018年4月
代表者 大友純一氏
資本金 1億円(2026年の求人票による)
主要事業 銅メッシュセンサーの設計、技術開発、製造、品質保証
主な用途 PC、産業機器、ATM・POS、車載機器など
株主構成 VIA Optronics 65%、TOPPAN 35%(VTS公式サイト掲載)
負債総額 約17億円
破産開始決定 2026年9月7日

なお、今回破産手続きの開始決定を受けたのは株式会社VTSタッチセンサーであり、株主であるTOPPANやVIA Optronicsが破産したものではない。

 

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