アイコン 監査法人、過失責任問題(2)

不動産査定にも異議有り

同じような問題で、まだ表面化していない不動産鑑定士の不動産査定問題がある。金融庁や証券等取引監視委員会のチェックも厳しくなった監査法人とは異なり、公的機関がまだ手を付けていない。

現在のところ不動産鑑定士の鑑定はすべて正しいとされているが、依頼主の思惑に沿って鑑定しているのが現状である。「お客様は神様」。それも公的機関が売却する不動産評価においても全く同じである。むしろ利用されているようにも見える。

日本郵政の「かんぽの宿」の資産評価も当然形式的には不動産鑑定評価している。しかし評価と実際の売却価格は、政治的な人為的思惑が交錯するなかで決定され、査定されている。
 
一度農水省の某事務所の移転に伴う旧事務所の売却問題を取材したことがある。地方の一等地に物件はあるにもかかわらず安値で売却された(不動産バブル最中)。そこで同事務所に問い合わせしたが「何も問題はない、不動産鑑定士の鑑定評価に基づき売却予定価格を決定して入札にかけた」と不動産鑑定評価を盾にしての回答であった。しかし入札参加者も限られ、農水省の当地方局と過去にも取引のある不動産会社が落札していた。不動産評価問題はまだノーズローであるため、多くの問題を抱え込んでしまっているのである。当物件は、路線価より実勢価格がバブルの影響で大きく値上がりしていた。多分、路線価や公示価格や1年前以上の前の古い売買事例に基づき評価したのであろう。
[ 2009年4月22日 ]
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