アイコン 不動産、今が買い時か

今が買い時とばかり、佐川急便の不動産会社が、四苦八苦している物流ファンドが所有する物流倉庫などを買い漁っている。

不動産バブル崩壊の影響を受けた不動産会社やファンドは、大手も含め数多く破綻してきたが、まだ予備軍が数限りなくある。そうした企業は当然、所有する不動産の売却をはかっているが買い手も限定され、売却物件もあまりに多すぎることから、なかなか売却できないのが実情。
スポンサーとなる金融機関も破綻でもされたら困ることから、オリックスのように損きり処分を強行させている。

 

 超大手流通不動産会社には、こうした物件が数多く持ち込まれ、その殆どの物件は売却価格が明示されず「相談」となっている。資産家や財務体質の健全な不動産会社は、買い時とばかり、今まで所有しようとしても、これまで高騰して所有できなかった場所の不動産やビルを購入している。
 
不動産バブルの崩壊といっても、需要と供給のバランスが崩れているだけであり、需要者側がいないわけではない。これまで出動を控えていた不動産会社や金持ち会社は利回りしだいで購入しているのである。
地方にあっても、不動産の流動化などと称して、東京資本の会社に所有権が移転しており、こうしたビルや不動産が山ほどある。超大手不動産会社が所有しない限り、横文字会社は売却意向と思って間違いなく、実質利回りを計算した適正価格で購入できよう。なかには掘り出し物・投げ売り物などに巡り合うこともある。
 
建築中の物件であっても、売却予定先に逃げられ、開発者も建築代金が捻出できず、困り果て売りに出している。こうした物件を安く購入するにはゼネコンの了解も必要であろうが、ゼネコン側も了解して損切り完成させているのが実情。大手ゼネコンは問題物件を可能な限り抱え込まない主義である。
 
今回のバブル崩壊も最後はまた、不動産や債権がバルクセールで処分されよう。しかしアメリカのハゲタカファンドが受け皿となることはないと思われる。
 
 
○ 佐川系SGリアルティ(本社:京都市)が2008年12月から、オフィスビルや物流施設などを相次いで取得。
三光起業(本社:中央区)が、サンシティツーが中央区銀座5丁目に所有する店舗ビル「ロンシャン銀座」を取得。
ケネディクス不動産投資法人、KDX博多ビルなど2物件を売却、(09/04/10)
 大阪証券金融、大阪の本店ビルなどを20億円弱で売却、(09/04/06)
アパグループ、ハイパーホテル熊本を取得 (09/04/01)
 オリックス不動産投資法人、西新宿などで2棟取得 (09/03/27)
 丸八証券、本店ビルを売却(名古屋市)、 (09/03/26)
 
[ 2009年4月16日 ]
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