アイコン 高松組(福岡市)事業停止、次は!(3)

①「ロワール」の破綻
高松組は09年2月末破綻したデベロッパー「ロワール」とSPCで共同開発した分譲マンションの「ロワール波多江駅前エクストクラス」(62戸、施主: ロワール波多江駅前合同会社、08年6月竣工)があった。
しかしロワールが破綻した時にはまだ多くが売れ残り、高松組は物件を抱え込んだ。
ロワールは元々資金繰りが厳しいデベロッパーといわれ、そうしたデベロッパーと共同開発。その結果、ロワールは分譲マンションを販売できないまま破綻、高松は工事代金が回収できないまま資金の固定化を招いていたといわれている。
 
②「栄泉不動産」の突如の破綻
  09年1月30日栄泉不動産が破綻した。高松組は「ロイヤルアークガーデン下大利」33戸、09年12月竣工予定で工事に入っていいため焦げ付いた。住友生命子会社で安全と思われていた栄泉不動産であったが、いつのまにか(06年)外資のモルガンスタンレーの子会社になっていた。サブプライムローン問題から弱体化している外資銀行は栄泉不動産からの支援要請を断り、栄泉不動産は破綻した。
  高松組にとって栄泉不動産の破綻は致命傷には至らなかったもののボディブローにはなった。
 
③ デベからの入金遅れ
  福岡のデベロッパーとして長年トップクラスにある某デベからの入金遅れ問題。
高松組は09年2月福岡市東区香椎浜に15億円の賃貸物件を完成させた。残金の10数億円の支払いを受けることになるが、デベ側は売却予定先であったリプラスが昨夏破綻したことから、引き取り手がない状態に陥っていた。そのためデベは工事代金の支払延期を高松組に要請、高松組も金額や状況から待たざるをえなかった。その支払い予定日6月5日も再延期の要請が、デベから抵当権設定承諾書が発行されてなされていた。
 
以上のように高松組は、工事関係の滞留債権や焦付き債権が生じたため、資金の固定化を招き、金融機関からの信用を失墜させていたと地元関係者は述べている。

続く

[ 2009年5月20日 ]
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