高松組(福岡市)事業停止、次は!(5)
財務内容の課題
同社は68年の業暦を持つゼネコンであるが、内部蓄積が少なく自己資本率は10%未満の5.8%でしかなかった。
同社の業績と財務内容は、
百万円
2005/3 | 06/3 | 07/3 | 08/3 | |
売上高 | 8,070 | 7,842 | 10,614 | 8,387 |
経常利益 | 28 | 31 | 108 | 57 |
総資産 | 6,229 | 8,848 | 6,897 | 8,658 |
自己資本 | 421 | 435 | 494 | 506 |
自己資本率 | 6.7% | 4.9% | 7.0% | 5.8% |
借入金 | 3,147 | 3,638 | 1,854 |
借入金は現在、上記「ロワール」および「ユニカ」の工事代金の借入で更に膨張しているのではと地元ではいわれている。
上場企業の場合、「ロワール」などの物件に対する評価損や「ユニカ」の物件に対する引当金計上を監査法人から求められるところである。同社は上場企業でなすためそうした問題は発生しないが、金融機関の見方は上場・非上場に関係なく、債権や資産に対して現実の評価をしてくる。当然同社の自己資本は5億円しかなく、金融機関の現実の見方は債務超過状態にあったと判断される。
最大の失点は現場見合いの銀行借入金を、完成させたものの現場の問題から返済できず、未収入金=借入金が固定化していたことである。こうした問題は多くのゼネコンに多かれ少なかれ発生していると地元関係者は述べている。
続く
[ 2009年5月21日 ]